達成意欲を感じる「手帳」
手帳や生活実用書、児童書などを発行している(株)高橋書店(本社/東京都豊島区)は、全国の10~60代1,000人を対象にした手帳に関する意識調査を今年も実施し、「手帳白書2025~暮らしと手帳のすゝめ~」を作成した。
災害に役立つ手帳術
2024年1月に発生した能登半島地震をはじめ、自然災害が絶えない日本。非常時の備えを記録している人のうち、デジタルが主要なツールとなっている現代においても、手帳に残している人はスマートフォンに続き、2番目に高い結果となっている。
手帳に情報を控える理由として多かったのは、「停電やバッテリー切れを気にしなくてよい」が39.9%、「データが消える、アクセスできなくなるなどの心配がない」が33.6%。また、もしもの備えのために日頃からの振り返りや更新が重要となる中、手帳ユーザーの75.9%が「1年に1回以上の頻度で振り返っている」と回答している。
また、記録するようになったきっかけとしては、「外出先でスマホや携帯電話などの紛失や充電切れなどの理由により、デバイスが使えなくなる経験をしたから」が21.3%と身をもって体験したからこそ、記録を残す重要性を体感している人も多いことがわかった。
推し活と手帳の関係性
趣味(推し活や〇〇活など)での活動を実施している人は、全体の57・9%。また、記録を残している人のうち、手帳や日記などの紙媒体ユーザーが44.6%とスマートフォンアプリやパソコンツールを抑えて1位の結果となった。
「推し活(〇〇活)を記録することで、自分自身の活動への楽しみは増えたか?」という質問では、手帳ユーザーの約4人に3人(72.2%)が「増えた」と答え、非手帳ユーザーよりも満足度が高いことが判明。年代別では、10代の81.2%が「楽しみが増えた」という結果になり、自分の好みのデザインにしたり、記録に残せる手帳は、楽しい気持ちを反映しやすく、結果として活動への満足度向上にも繋がっているのではないかと推測できる。
また、推し活や〇〇活の記録を手帳に残していると回答した人が、手帳に情報を書き込むことのメリットとして「後から手帳を見るたびに楽しい思い出を再体験できる」と回答しており、推しに関する情報をこまめに整理し、振り返っていることが明らかになった。
手帳の使い方
手帳ユーザーのうち、スマートフォンアプリやパソコンツールなど、その他のスケジュール管理ツールも併用している人は73.3%。併用する理由は、「手帳とアプリそれぞれに利点があるから」が64.9%、「公私の予定を分けたい」が30.0%となり、それぞれの特性を活かしながら予定の管理を行っていることがうかがえる。
また、現在のツールでスケジュール管理を行っている理由について、10代の非手帳ユーザーは「素早く記入できるから」が第1位に。スマートフォンアプリやPCツールなどでスケジュール管理をしている人が多くいる一方、「手書きの方が頭に残りやすい」「書いた満足感を得られる」と若い世代の中でも手書きのメリットをしっかりと感じていることがわかった。
デジタルが主流になり、社員同士のスケジュール管理にデジタルツールが活用されている現在でも、仕事のスケジュール管理に手帳を使用している人が48.1%とスマートフォンアプリに次ぐ高い結果となった。また、仕事で手帳を活用する際の具体的な使い方として「仕事のToDo(やること)リスト」が54.9%と最も多く、次に「目上の方や取引先の面談時、急にメモが必要になった時に手帳に書く」が挙げられた。
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