ハイプレッシャー加湿器UruOs-50で「紙反り」解消
オペレーターの作業負荷軽減と健康にも寄与
全10個の噴霧ユニットを設置。喉も「ウルオス」業務用加湿器
同社では、加湿器を設置せずに作業していたこの数年間、湿度が足りないことによる紙の反りや静電気など、様々な課題がオペレーターの負担となっていた。工場内の湿度は55%以上を理想としているようだが、「ウルオス」を設置する以前は通常20%程度の湿度しかなかったため、冬場などはサランラップで包んでも紙はすぐに反ってしまい、オペレーターはそれをヒューマンパワーで真っ直ぐにしていたという。これが大変な労力であったことは、想像に難くない。
また、同社では印刷機の新台導入後、新たな展開として「薄紙」の受注も開始したが、村上社長は「薄紙の場合は加湿器がないと、静電気により紙通りが悪くなってしまうが、ウルオスを導入していたため、そのようなこともなく、薄紙の印刷も問題なく行うことができている」と話す。
さらに、ウルオスの導入は紙だけでなく、人間の喉にも「潤い」を与えているという。村上社長は、「湿度55%以上でウイルスは死滅するという医療関係のデータもあり、実際にウルオスを導入してからは、風邪などで休む社員も減った」と、ウルオスの導入は企業としての「健康経営」にも効果を発揮しているようだ。

現在、同社では全3台のオフセット印刷機を設置しているが、新台のUV印刷機付近に4台、あとの2台付近に3台ずつ、ウルオスの噴霧ユニットを設置している。村上社長は「湿度センサーが付いているため、噴霧により湿度が上がりすぎ、逆に紙が波打ってしまうなどの心配もない。例えば湿度55%に設定すれば、設定の湿度になれば自動的に噴霧が停止し、湿度が下がれば噴霧を開始するため、常に安定した湿度を保つことができている」と話す。さらに、ウルオスの本体はコンパクトで、工場の片隅に邪魔にならないように設置されていた。
エアーコンプレッサーが不要で、驚くほどに消費電力を削減
ウルオスは、エアーコンプレッサーを使わないため、消費電力を驚くほど抑えることができるのも特徴である。電力消費は1L/1hの加湿にかかる電力量が電熱蒸気式の100分の1という省電力を実現しており、村上社長は「ウルオスだけの電力量は算出していないが、おそらく過去に使用していた加湿器と比べて5分の1以下の消費量にはなっているのではないか」と話す。ウルオスの導入は、同社に作業負荷の軽減と快適な作業環境の提供、そして電力コストの削減など、様々な側面から効果をもたらしていた。
村上社長は今後の展望として、「従来から得意とする厚紙から薄紙へと事業領域を広げていくとともに、従来から強みとする高品質を武器に、パッケージ印刷にも領域を広げ、ブランドオーナーからの直受注も視野に入れていきたい」と話す。同社は得意とするディスプレイ什器などでは、芸能人の写真入りなどのシビアな印刷も任されており、ここらからも同社の品質における信頼の高さが窺え、高品質が求められるパッケージ印刷にも十分に対応する技術力を有しているといえるだろう。近い将来、その目標を実現できることは間違いなさそうだ。
