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新星社西川印刷(東京)

立体表現で新事業領域へ - 創造力に寄り添う大判インクジェット事業

ワイドフォーマットUVIJ「アナプルナ H 2050i LED」導入

あくまで「クリエイティブ」を軸足に

 今回、新星社西川印刷が今年2月に導入したモデルは、「アナプルナ H 2050i LED」。最大印刷幅2.05メートル、解像度1,440dpi、6色(C・M・Y・K・LC・LM)+白の仕様となっている。アナプルナLEDシリーズは、16ワット/平方メートルという高出力のUV LEDユニットを採用。アグフア独自のUVインク・テクノロジーにより、アナプルナLEDシリーズ専用に開発された次世代型UVインクは、塩ビシート、ターポリンはもちろん、多様な印刷基材に対する密着性、柔軟性、低臭性を実現しているほか、放射熱も少なく熱に弱い薄物メディアとの相性も良い。

 導入から3ヵ月あまり。すでに、これまでの事業の延長線上にあるイベント関連ではタペストリーなど、出版社などからはキャンパスボードの引き合いも多い。

 一方、コロナ禍において抗ウイルスや抗菌、消臭などの機能性壁紙が注目を集める中、大手リフォーム会社との協業で、施工主の嗜好にあわせたオリジナルの壁紙を供給するプロジェクトも走り出しているという。これら「大判+オンデマンド」の要素でカバーできる商材の開発で、商業印刷の仕事ではない、あるいはクライアントではない層へのアプローチで事業領域の拡大をはかっていく考えで、アナプルナはそのためのツールであり戦略機として位置付けられる。

 また、今回はプリンタと同時に、コムネット(株)(本社/神戸市中央区)が販売代理店をつとめるイタリア・SEI社のレーザー加工機「SEIシリーズ X-TYPE」も導入している。このレーザーカッターは薄い素材を得意とし、刻印もできることからプリンタとの組み合わせで表現の幅を広げる可能性を秘めている。


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レーザー加工機「SEIシリーズ X-TYPE」


 新たなアプリケーションへの開発意欲を掻き立てるプリンタ+レーザーカッター。「我々だけがその活用方法を試行錯誤しても『宝の持ち腐れ』。クリエイターが創造力を掻き立て、表現できる場を提供できれば」と西川社長。今後の展開についても「あくまで当社のワイドフォーマット事業は『プロダクト』ではなく、『クリエイティブ』に軸足を置いた展開を目指す。そこで需要が大きく膨らめば、その出力業務を地方の同業者に委託していきたいと考えており、全国のアナプルナユーザーとのネットワークも必要になるかもしれない」と語る。

 「クリエイティブなクライアントの差別化を如何にお手伝いできるか。我々はそれを試されている。グラフィック、パッケージのみならず、インテリアやアパレルのデザイナー達の表現活動に寄り添うような事業展開を理想としている」(西川社長)

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