アヤト(富山)グループ会社化で封筒・伝票部門強化
営業ノウハウ吸収し直受注拡大めざす
スキット(株)(本社/福井県福井市、田村美津雄社長)は、富山県の印刷会社である(株)アヤト(本社/富山県小矢部市)を8月7日にM&Aし、同社をグループ会社化した。製版会社出身のスキットは、印刷・関連業界が取引先の中心となっているが、官公庁をはじめ一般企業の取引先を多く持つアヤトの営業ノウハウを吸収し、直受注の取引先拡大を目指していく考えだ。また、封筒・伝票類を得意とするアヤトの生産機能により、スキットにおける同部門の事業を強化する。一方のアヤトには、スキットが持つ豊富な営業アイテムの技術ノウハウを提供する。グループ化によるシナジー効果で企業としての成長のスピードを早めていく。

官公庁・一般企業への企画提案力に魅力
アヤトは1954年に創業した印刷会社。富山県小矢部市のランドマークとなっている「クロスランドおやべ」までは徒歩10分というアクセスの良さだ。「未来を彩る印刷・情報企業」をコンセプトに、販促物から書籍・冊子、事務関連、大判プリント、ARなどの事業を展開している。
一方のスキットは、1976年に創業した製版会社出身の印刷会社。印刷・関連業界を取引先の中心としながらも、受け身体質からの脱却を図り、2010年から通販事業に参入。現在は、ポケットフォルダー/選挙印刷/圧着DM/ノベルティ制作/封筒印刷/車両広告の6つの商品展開型の通販サイトを運営している。そして、受け身体質からのさらなる脱却を図るとともに、売上市場エリアの拡大と新事業への参入などを効率的に進めるために開始したのが「M&A事業」への取り組みだ。
「今年1月に開催した経営計画発表会において、経営者が執れる戦略としてM&Aによりグループ企業を増やしていくことを宣言した。そこでマッチングサイトに登録したのだが、当社のグループ企業として一緒にやっていくのに最適なアヤトという企業と出会うことができた」(田村社長)

スキットがM&Aの相手先企業に求めた第一の条件は、「企画提案力のある印刷会社」。通販事業を除いて、同社の取引先のほとんどは印刷・関連企業であるため、「仲間仕事のノウハウはあっても、例えば官公庁に対して、どのように営業をかければいいのかも分からない」(田村社長)ため、官公庁や一般企業に多くの取引先のあるアヤトからこのような直受注の営業ノウハウを吸収し、通販事業以外でも取引先拡大を目指していくことを今後の狙いとしている。
