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朝日オフセット印刷(神奈川)

あらゆる社内情報を共有して「見える化」〜デジタル移行の転機に

PSC 印刷業務管理システム「刷衛門」導入

 朝日オフセット印刷(株)(本社/神奈川県横浜市鶴見区本町通1-22、廣田稜社長)は、商業印刷物を中心に事業を展開し、70年の歴史を築いてきた印刷会社。SDGsや新素材LIMEXによる環境配慮活動、抗菌印刷への取り組みなど、時代に即した企業活動を展開している。しかしその一方で、社内の業務管理体制については某管理システムを導入しながらも旧態依然のアナログ体質から抜け出せないというジレンマを抱えていたようだ。そんな同社の社内体制を抜本的に改革したのが、2年前に(株)ヤマトヤ商会の紹介で導入したPSCの印刷業務管理システム「刷衛門(スリエモン)」だ。社内業務のあらゆる情報を共有化して「見える化」したことにより、全社レベルで大きな効果が生まれている。

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廣田 社長

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中野 氏

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佐藤 氏

 同社では10年以上前に某・業務管理システムを導入。しかし、同社が求める機能とシステムの相性が良くなかったようで、「結局、手書きの伝票を集計するためだけに使用していた」と中野邦晃総務部長は振り返る。業務管理システムとして活用したくても、「聞けば分かったのかも知れないが、当時の我々のITレベルでは何を聞けばよいのかも分からない。それを補うためのメーカー側からの説明がなかったことにも甘さを感じており、それではユーザー側からすれば、継続するメリットにはならない」と廣田社長。業務管理システムの入れ替えを課題としながらも、どのようにすれば良いかが分からないまま数年間が経過していたが、そのような中、出入り業者のヤマトヤ商会から紹介されたのがPSCの印刷業務管理システム「刷衛門」であった。

 「当社はデジタル移行できないアナログ印刷会社の典型であった。そんな当社の状況を分かっている長年の付き合いのヤマトヤ商会さんから、当社にはPSCの業務管理システムの方が向いているのではないかと提案していただいた」(廣田社長)

 それまで、PSCという会社名も知らなかったという同社であるが、中野総務部長はPSCの業務管理システムの導入を決定したポイントについて、「業務管理システムの多くはオールインワンで機能が揃っており、自社に不要な機能も含まれている。しかしPSCのシステムはその逆で、最低限の機能に必要な機能を付加していくためムダがまったくない」と説明する。

 また、廣田社長は「費用は400〜500万円と非常に安価だったことも魅力的だった。それまでに使用していた業務管理システムをバージョンアップした場合、おそらく1,000万円以上はかかったのではないか」と話す。さらに、同社では2年前の導入のタイミングで原価の見直しも行ったため、同社にとってPSCの業務管理システム導入は、デジタル移行をスタートさせるとともに、価格なども改めて見直す大きな転機となったようだ。

見た目は従来の「手書き伝票感」〜全社員が活用できるシステムに

 PSCのシステムを導入してデジタル移行する際、同社には譲れないものがあったという。それは、当時はITスキルがあまり高くなかったとする同社の中にあっても、誰一人として「取り残される人がいないこと」であった。いくら自社に最適な業務管理システムを作り上げても、それを使いこなせる人が少なければ「情報の共有」ができなくなるからである。

 そのため、同社が手書き伝票をIT化するためにPSCに依頼したことの1つは、「手書きの伝票感」を残してカスタマイズすることであった。現在、38歳の廣田社長は「我々世代までであれば、フォーマットなどが多少変わっても何とか対応できるかも知れない。しかし、もう少し上の年代になると、フォーマットが変わるだけで対応が難しくなる。このため、誰でも入力作業ができるように手書き伝票と同じフォーマットの画面のカスタマイズを依頼した」と説明する。

 現在は、総務・経理・工程・デザイン・プリプレス・加工・印刷など、各部署に各1台、業務管理システムに対応するパソコンを設置している。また、基本的に営業は各自1台、システムに接続したパソコンを所有している。そして、キーパーソンだけでなく、社員全員が業務管理システムの作業に対応可能になっている。

 ちなみに従来の業務管理システムは「取り残される人が多すぎた」(廣田社長)ことが、運用が行き詰まった一因にもなっていたため、その経験が今回は生かされたようだ。

 そして、全社員で情報共有して「見える化」を実現した結果、多くの導入効果が生まれてきているという。

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