印刷通販「いろぷり」開設 - 創業100年の技術とノウハウで新市場へ
ITPのネットワークで競争力強化
京都の老舗印刷会社(株)ITP(本社/京都市中京区、喜田眞司社長)は7月1日、印刷通販サイト「いろぷり」(運営会社:ネット印刷ITP(株)/京都市南区上鳥羽藁田20-3、北井元司社長)を立ち上げ、印刷通販事業への挑戦を開始した。開設当初は32アイテムでのスタートとなるが、将来的にはITPで蓄積してきた各種職種ゾーン・カテゴリーゾーンや、企画ページ・特集ページなどを盛り込みながら掲載商品アイテム数を増やし、多彩な商品を手軽に発注できる印刷通販サイトとしていく考えだ。

ITPは100年以上の歴史を誇る京都の老舗印刷会社。今年4月にブランドイメージの確立と新時代への対応を目指し、社名を変更してリスタート。グローバル・クロスメディア・カンパニーとして、印刷業界の先駆を走っている。
今回の印刷通販事業への参入は、2019年12月のITP社員研修プログラム「夢語り塾」において「祖業である印刷を盛り上げるには」がテーマで、印刷通販事業に挑戦したいと塾生から手が挙がったことから始まった。その研修報告はすぐに会社に受け入れられ、ITPの新事業として今年1月に開設準備室を開設。そして2月には、運営会社であるネット印刷ITPを設立するという超最短スケジュールで進んでいった。新事業として取り組むことを決定してから、新型コロナウイルスによる様々な影響などを受けながらも、わずか7ヵ月で開設することができたのは、すでに印刷通販事業を実現できる生産体制が整っていたことが背景にあるようだ。
「数年前からのITPの印刷価格見直しの運用などにより、営業部門の競争力はすでに高まっていた。また、京都・名古屋・東京の3工場と2018年10月にITPグループ傘下になった遠藤写真工芸所・滋賀工場を合わせた国内4工場での生産体制も確立できていた。また、ITPグループの各工場に設備投資をして工場整備をしてきた結果、少ない投資で印刷通販事業に参入できる受け入れ体制がすでに整っていた」(ネット印刷ITPの北井社長)

また、主なユーザーとなる一般企業が印刷通販の利用に慣れてくるなど、印刷通販を取り巻く市場環境が整ってきたことに加えて、「これからは印刷通販事業で儲ける、儲けないという問題ではなく、機能として持たなくてはいけない時代に突入しているという話も業界の方から聞いた。そこで従来の対面営業とは一線を引いた印刷通販サイトを立ち上げることを決めた」と、北井社長は印刷通販市場への参入を決めた経緯について説明している。
