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新聞印刷(大阪)

認知症予防と施設の付加価値を創出 - 「自分史レク」開発

 超高齢化社会における社会問題の1つに挙げられる「認知症」。長寿命化にともない、生きている間に認知症にかかってしまう可能性が高まるのは当然のことであるが、このような病気にかかることなく、健康的に長生きすることは現代人の誰もが願っていることであることは間違いない。業界紙、社内報、記念誌などの企画・取材・編集・レイアウトから印刷までを手掛ける(株)新聞印刷(本社/大阪市天王寺区、福山耕治社長)は、自分史など自費出版のパイオニアであるグループ会社の(株)新風書房(同所在地、福山琢磨社長)で培ってきた長年のノウハウを生かし、認知症を予防しながら、介護施設利用者などの潜在的ニーズを抽出する「自分史レク」を約4年前から介護業界などに提案しており、日本の健康長寿大国化をサポートする取り組みとして注目を集めている。

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展示会場で来場者が記入した自分史・レクの前で福山社長

 新風書房では、戦争体験を後生に残すために体験者の手記を集めた「孫たちへの証言」をはじめ、自分史など様々な自費出版を手掛けている。また、自分史を書き易くするため、400の質問項目からなる「自分史マニュアルノート」を昭和59年に開発し、全国の多数企業と代理店販売契約を締結している。

 この長年にわたる自分史ノウハウを生かし、超高齢化社会における問題解決を目指すのが「自分史レク」である。自分史レクは、グループ会話をしながら、A3シート1枚に生活歴に関する思い出を箇条書きで書きとめるレクリエーション。1回1時間×6時間で自分史シートを書き上げるレクレーションとなっている。

 新聞印刷では、平成27年11月に認知症事業部を立ち上げ、自分史レクの開発を進めてきた。福山社長は「自分史レクは、自分史を書くことが最終的な目的ではない。認知症予防も目的の1つであるが、介護施設利用者の生活歴から潜在的ニーズを抽出し、新たな施設の付加価値を生み出すことを最終的な目的としている」と自分史レクの開発目的について説明しており、利用者の認知症予防はもとより、これを実施した介護施設の付加価値を創出するなど双方のメリットを生み出すことで、ひいては日本の健康長寿大国化にも貢献するツールであることを強調している。

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