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アイ・エヌ・ジー グラフィックアーツ(東京)

「JETI MIRA」特殊印刷機能で新需要創出へ

決め手は3Dレンズ印刷

 そんな同社が、大判インクジェット出力事業の新たなステージを目指して導入を決めたのが、アグフアのハイエンドフラットベッドUVインクジェットプリンタ「JETI MIRA 2716 HS LED」だ。技術進歩の早いインクジェット分野において、導入から5年が経過した既設機の入れ替え需要として2017年10月、草加スタジオ(埼玉県草加市松江)に「鳴り物入り」で設置された。この背景について川口社長は「JETI MIRA導入による新たなアプリケーションの可能性に投資する価値があると判断した。それが、3Dレンズ印刷である」と説明する。


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JETI MIRA 2716 HS LED

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草加スタジオ


 JETI MIRAによる3Dレンズ印刷とは、専用のソフトウェアを使い、視覚効果によって立体的な表現を実現するもの。裏に6色+白を印刷した後、表にクリアニスで小さな球状のレンズを印字することで3D効果を表現できる。最新技術に貪欲な川口社長は、これに目を付けた。「3Dレンズ印刷の商材が爆発的に売れるわけではないが、営業にとっては大きな武器になる」(川口社長)


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特殊印刷機能を使ったサンプル

 一方、現場から見たJETI MIRAの評価について草野氏は、品質面で「描画性(解像度)」「小さな文字の再現性」「両面印刷時の表裏見当精度」などを挙げ、また生産性では「RIPからの書き出しの速さ(待機時間短縮)」を挙げている。

 「JETI MIRAのクオリティはUVプリンタの中でもトップクラス。自信を持ってお客様に提案できる」(草野氏)

新商材の開発急ぐ

 導入からおよそ半年。JETI MIRAのポテンシャルが生み出す営業的な波及効果も見え始めている。

 「これまで決まった時期に決まった仕事を受注していた既存客にもJETI MIRAのアプリケーションを紹介すると『こういうことをやりたかった』という声を頂いた。既存客も飽きていたのかもしれない。今後が楽しみ」(草野氏)

 実際には、VMDの床面への印刷や展示会の装飾といった用途で引き合いがあるようだ。さらに、ニスやインクの厚盛りができる特長を活かした絵画(油絵)の複製プロジェクトもすでに走らせている。質感をリアルに表現した複製に留まらず、ハガキなどのノベルティに落とし込むところまで話が進んでいるという。

 一方、アクリル素材を使った「アートパネル」の商品化にも乗り出している。高解像度の写真をアクリル素材に印刷し、高級感を持たせたパネルとして販売するというビジネスモデル。雑貨屋などで目にすることがあるが、カットアウトまで内製できる同社の価格競争力と大判対応という汎用性で差別化を図っていく考えだ。

 さらに、同社が2013年から展開しているネット印刷通販「超大判プリントサービス」を現在リニューアル中。もともとプロフェッショナルユースとして展開してきた同サイトをエンドユーザーにも分かりやすいインターフェースに置き換えるとともに、JETI MIRAの新しいアプリケーションを随時追加していくことで、サービス拡充を図っていく考えだ。

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