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四ヶ所(福岡)

「働き方改革」に挑戦 - 生産性向上と職場環境改善両立

既設菊全機にTPE製LED-UVと検査装置を搭載

検査装置も導入して高まる品質要求に対応

 同社では、「Dry-Gシリーズ」と同時にTPE製・インライン印刷品質(欠点・色調)検査装置「BOTH Σ SENSOR」も菊全4色機に後付搭載している。

 インライン検査装置の導入理由として、四ヶ所社長は、年々高まっていく顧客からの品質要求への対応だと説明する。

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BOTH Σ SENSOR


 それまで同社では、オペレータによる1,000枚毎や500枚毎の抜き取り検査を実施していた。さらに刷了後には、オペレータ以外の第三者によるダブルチェックも行っていた。しかし、その検査方法でも完全に不良を発見することができない。品質管理体制を強化するには、やはり全数検査ができるインライン検査装置が不可欠と考えた四ヶ所社長は、LED-UV乾燥装置と同様に、複数のメーカーが提供している検査装置の検討を開始。評価シートを作成し、自社にとって最適な検査装置の検証を行った。

 四ヶ所社長が、各メーカーに強く要望したのは、「使える検査装置」だ。

 「全数検査を可能とする検査装置は、人の目では認識できない微細な不良を発見するのに効果的な装置だ。しかし、不良を発見するだけでなく、不良検知後の作業までが分かりやすくなければ、導入しても意味がない。その点を追求した結果、TPEの検査装置は、当社が求めるものであった」

 「BOTH Σ SENSOR」は、オフセット枚葉機、オフセット輪転機、ビジネスフォーム輪転機、グラビア印刷機など、各種印刷機への搭載実績を誇る印刷品質検査装置。欠点検査に加え、独自技術による絵柄全域の色調検査も同時に行い、検査結果はモニター上に表示される。オフセット枚葉機では、薄紙・厚紙を問わず紙尻りの暴れを確実に抑え、アルミ蒸着紙などの検査も乱反射の影響なく実行することが可能。

 現在の運用方法としては、原則4色印刷物を中心に全数検査を実施し、特色関連の仕事については、別の印刷機で稼働させている。検査基準の設定としては、TPEが推奨する基準値で運用しているが、今後は、自社に最適な運用方法を確立するために検証を行っていく。

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KOMORI製全機に後付搭載

オペレータの負荷低減にも大きく貢献

 現在、「働き方改革」への取り組みが注目を集めている。残業が多い傾向にある印刷会社にとって、この「働き方改革」への取り組みは急務といえる。今回、同社が導入した装置は、「働き方改革」につながるものだと四ヶ所社長は語る。

 「今回、導入した各装置は、生産性の向上だけでなく、オペレータの作業負荷の削減に大きく貢献するもの。オペレータは、乾燥不良やドライダウン、そして印刷不良を気にすることなく、安心して印刷業務に集中できるようになった。この効果は非常に大きなメリットといえる。もちろん、装置の機能に頼るだけでなく、オペレータの技術力向上についても取り組んでいく」

 同社は、平成13年に「四ヶ所印刷所」から現在の「四ヶ所」に社名を変更している。これは先代が、「これからの印刷会社は、印刷だけでなく、幅広い分野に業容を拡大する必要がある」という想いが込められているという。

 「印刷という仕事をやめる訳ではなく、これからは、ITなどを駆使してソフトとハードの両側面から、新たなビジネスに挑戦していかなければ、真の成長を遂げることはできない」

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