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石川特殊特急製本(大阪)

東京支店にDreamLabo5000導入 - 大阪に続き2台目設置

製本技術を融合して新市場創出へ

 情報ファイリングの総合企業である石川特殊特急製本(株)(本社/大阪市中央区、石川彰一社長)は今年3月、同社・東京支店(東京都中央区)にキヤノンの業務用フォトプリンター「DreamLabo(ドリームラボ)5000」を導入した。今年2月の大阪に続き2台目の導入となる同社は、「DreamLabo5000」の超高画質と同社の卓越した製本加工技術を駆使し、新たなサービス提供を開始している。

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石川 専務


 同社は、その社名が示す通り、少部数の印刷・製本から特殊・特急な印刷・製本を強みとして業務を展開している。また、早くからオフセット印刷の内製化を推し進めるとともに、オンデマンド印刷機の導入も積極的に行い、現在では、全国で30〜40台のオンデマンド印刷機が稼働している。また、数年前より「フォトブック事業」を立ち上げ、ウェディング関係や建築写真をはじめ、スマイルフォトブックというエディターを使用し、注文の多い仕様に限定して、個人のユーザーでも簡単かつ手軽に絵本・アルバムのフォトブックを作成することができる「Smile Photbook」などのサービスを提供している。

 同社が増設した「DreamLabo5000」は、キヤノン独自のプリントヘッド技術により、写真品質を限界にまで引き上げることに成功したインクジェット方式のオンデマンド印刷機。7色の染料インクと純正用紙により、写真のなめらかな階調性、色再現の安定が可能。同社では今回の導入を機に、Smile Photbookにおいて、さらにクオリティの高い「プレミアムフォトブック」の絵本・アルバム提供サービスを開始している。

 「DreamLabo5000」導入の理由は、いうまでもなく、その超高画質による商品の提供であるが、もう1つの理由は「製本加工との融合による差別化戦略」だ。

 同社・東京支店の石川幸二専務取締役は、「当社の強みは製本技術であり、DreamLabo5000の導入は、その強みを生かす設備投資でもある」と語る。

 加工の精度や耐久性など、近年、印刷品質だけでなく、製本加工においても品質に対するニーズが高くなっているという。同社は、これまで培ってきた独自の製本技術と柔軟なサービス提供で、それらニーズに対応してきた。今回の「DreamLabo5000」導入は、その卓越した製本技術に超高画質印刷という新たな付加価値を加えることが狙いだ。

 「現在、市場で流通しているフォトブックの大半は、同じような仕様で作成されている。これでは結果として、価格競争に巻き込まれてしまう。同社が目指すのは、他にはない手作りの良さとカスタマイズによる商品提供である。その核となるのが、当社の製本加工技術である」(石川専務)

 その1つとして石川専務が検討しているのが「オーナーズブック」という新商品だ。この「オーナーズブック」とは、高級車などの高額商品を購入した顧客に対し、贈呈されるオリジナルカタログで「DreamLabo5000」による超高画質印刷と同社の高精度な製本加工技術を融合させることで、プレミアム感を演出する仕様となっている。

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東京支店に設置されたDreamLabo5000


 東京支社では、今年4月の本稼働に向けて準備を進めている。石川専務は、今年5月頃にオープンハウスの開催も検討しており、また、6月にはフォトビジネスの専門展示会「フォトネクスト2017」への出展も予定しているという。

 このオープンハウスは、DreamLabo5000の品質を広く認知してもらうだけでなく、来場者が持ち込んだデータを実際に出力し、また、色調補正をすることで、どのような作品に仕上がっていくのかを、実際に体験してもらうことを目的としている。

 「DreamLabo5000の品質について、顧客がどう評価するのか、また、どのような商材に適しているのかなど、オープンハウスを通じて情報収集し、新たな商品開発につなげていきたい」(石川専務)

 大阪、東京の2拠点に設置されたことでバックアップ体制も構築できた同社は、ウェディング関係や建築写真、プロカメラマンからの受注など、より高い写真品質のニーズに対し、積極的にアプローチしていく。さらにオンデマンド印刷機などの既存設備と複合させ、記念誌の巻頭写真など一部のページにのみ高画質な写真品質を求められる製品など新たな商品開発も視野に入れている。

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