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高砂熱学工業、粘着テープ・印刷工場向けVOC回収システム開発

従来VOC処理システムとの比較

 高砂熱学工業(株)は6月4日、オンライン会見を開き、粘着テープ工場や印刷工場などで使用されるトルエンや酢酸エチルなどの揮発性有機化合物(VOC)を含む排気ガスを、吸着処理したのち製造工程に循環再利用する「クローズドVOC回収システム」を開発したことを発表した。
 今回、開発されたシステムは、ドライヤから排出されたVOCを含む排ガスを、吸着ロータで浄化したあとに、ドライヤの給気として循環再利用するシステム。主要機器は、吸着ロータ(吸着剤に不燃材のゼオライト採用)、ブラインチラー、冷却塔、コンプレッサなどで構成。同社では、粘着テープメーカーの(株)寺岡製作所・茨城工場で実証運転を実施しており、このほど従来設備に比べてVOC大気放出量を95%・CO2排出量を78%削減する成果等を確認している。
 同社では、今後も寺岡製作所・茨城工場にて年間稼働データを取得し、銅システムの省エネルギー性、冬期・夏期の製造環境の安定性について引き続き確認を行うとともに、回収溶剤の純度に応じた再利用方法の検討、さらには年間稼働データに基づく経済性の精査に着手していく予定。同時に溶剤回収や再利用が期待できる印刷・粘着テープなどの単一成分の溶剤を使用した製造工程に対して、エンジニアリング事業部を営業窓口に、2025年度までに10件の導入を目指していく。

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