トッパン・フォームズ、原寸大再現で絵巻化「東海道五十三次絵巻」
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トッパン・フォームズ(株)は、浮世絵版画所蔵で世界的に有名なボストン美術館の全面協力のもと、歌川広重の保永堂版「東海道五十三次」を原寸大で再現し、絵巻化した保永堂版「東海道五十三次絵巻」を制作、3月1日より販売を開始した。
同製品で複製された原画は、ボストン美術館に所蔵される500点以上の「東海道五十三次」の作品の中から53の宿場に江戸と京都を加えた全55ヵ所のシリーズ作品を、同美術館浮世絵版画室長のセーラ・E・トンプソン氏が1点ずつ厳選した原画を複製している。その大半を占めるスポルディング・コレクションは、浮世絵原画の色彩が非常に繊細かつ脆弱であるために退色しやすいという理由で、ボストン美術館はもとよりいかなる場所でも公開展示が禁止されているが、その原画も含まれている。また、ボストン美術館は所蔵品の原寸大複製を原則許可していないが、今回デジタル印刷技術を活用した絵巻化という同美術館にとっても初めての試みであるため、例外的に複製を承諾し、製品化が実現した。
また、同製品はセーラ・E・トンプソン氏による英文の詳細な解説書(日本語訳付)を同封しており、2ヵ国語の学術資料や文献としての活用も可能。