2020年紙・板紙市場、コロナ禍で8%減 - 紙・板紙の構成比逆転か
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(株)矢野経済研究所は、国内外の紙・板紙市場についての調査結果を発表した。
2020年の製紙メーカー出荷量(国内出荷+輸出)は、新型コロナウイルスの影響により新聞用紙や印刷・情報用紙が大幅減少する見通しである一方、段ボール原紙は輸出量の急拡大でプラス成長となる見込みのため、板紙の構成比が初めて紙と同等、または若干上回る見込みである。コロナ禍において、需要構造の変動が加速している。
2020年の紙・板紙の出荷量は、前年比8.4%減の2,299万tとなる見込み。新型コロナウイルス感染症拡大により、経済活動が停滞、各品種は軒並み近年にない減少幅となっており、出荷量はリーマン・ショックの影響を受けた2009年以来の大幅減少となる見通しである。
2021年の紙・板紙の出荷量は、前年比0.8%増の2,318万tになると予測。情報媒体としての紙は前年の反動増となると見られるものの、その増加幅は微増にとどまり、需要はコロナ禍前の水準には戻らないと予測されている。一方、段ボール原紙については、大規模な天候不順などがなければ、世界的な需要の高まりに引っ張られる形で、当面は微増から増加基調で推移すると見込まれている。