ミューラー、営業担当役員が来日 - 世界の印刷・製本情勢を解説
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ミューラー・マルティニジャパン(株)(五反田隆代表)は5月24日、あけぼのとの共同記者会見の席上で、スイス本社から来日した営業担当役員であるVolker Leonhardt氏によるプレゼンを公開。読者、出版社、印刷・製本会社、サプライヤーの4つの視点から世界の印刷・製本情勢とデジタル化の現状を示した。
Leonhardt氏はまず、2018年の発行部数や売上が主要国で増加していることに言及。教育の場でも本や印刷物が世界的に支持され、「印刷された本は確実に生産部数を増やしてきている」との現状を示した。
また、「巨大市場向け雑誌は縮小するも特別なマニアック向け雑誌の人気は持続する」とし、ハリーポッターのような大量生産に対し、ショートラン、ウルトラショートランおよび1冊製本のブックオブワンという出版モデルに分かれるとの見方を示した。
一方、印刷・製本会社については「人手不足」に懸念を示した上で、新ビジネスの収益モデルは、「複数の小型の機械で、しかも分散した場所(工場)で生産すること」だとし、配送工程やその方法が重要であると指摘。
「当社が提唱するフィニッシング4.0の製品群は、この分散型生産方式に対応し、今後の発展に欠かせない大きなチャンス(機械のラインアップ)を提供する」
さらに、サプライヤーは、この分散生産方式が伸びることにより、より多くの機械を販売できるチャンスがあるとし、開発においては「熟練工不足を前提としたスキルレス化が必要」との認識を示した。