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蔦友印刷(長野)、破産申請へ-負債12億4,000万円

 蔦友印刷(株)(長野県長野市平林1-34-43、設立1946年12月、資本金4,800万円)は3月30日に事業を停止し、長野地裁への破産申請を弁護士に一任した。負債総額は約12億4,000万円。
 1902年2月創業の老舗企業。旧大蔵省印刷局の指定工場として発足し、当初は活版印刷を主体としていたが、その後はオフセット印刷へと移行した。大判印刷や頁物をベースとするほか、従来の印刷物にとどまらず、小切手や商品券などの証券類、プリペイドカード、年金手帳などのセキュリティが求められる貴重品印刷なども展開。印刷から製本まで一括サポートできる点などを強みとして、ピーク時の1992年12月期には売上高41億7,494万円をあげていた。
 しかし、その後はペーパーレス化に伴う紙需要の減退により減収に歯止めがかからず、度重なる赤字計上から債務超過に転落。打開策として、自社工場での内製化を進めるため、印刷機器を導入するなど設備投資を実施する一方、資産や関連会社の売却などによる有利子負債の圧縮にも取り組んだ。
 こうしたなか、近年は新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、受注環境がさらに悪化。2021年12月期は売上高が約7億3,700万円まで落ち込んだうえ、2022年12月期に入ってからは仕入価格や輸送費用の高騰が続き、利益率がさらに低迷したことで資金繰りが限界に達し、今回の措置となった。
(東京商工リサーチ調べ)

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