冨士印刷(東京)、破産申請-負債43億円
冨士印刷(株)(東京都千代田区神田三崎町3-4-10、設立1967年7月、資本金4,000万円)は3月13日、東京地裁に破産を申請した。負債総額は債権者約310名に対して約43億円。
1946年創業の老舗印刷業者。印刷およびインライン加工による総合印刷を主力に、カタログギフトの企画・印刷、ノベルティグッズ等の企画・販売促進などを手掛けていた。埼玉県加須市内に埼玉工場を設置し、印刷から製本まで一括受注できる点などを強みとして、大手印刷業者などを得意先にピークとなる1996年6月期には売上高55億1,386万円をあげていた。
しかし、その後はペーパーレス化に伴う紙需要の減退により、減収に歯止めがかからなかった。このため、同業他社との差別化や自社工場での内製化の推進を目的に、最新機器の導入など設備投資を実施する一方、資産売却による有利子負債の圧縮にも取り組んでいた。
こうしたなか、近年は新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて受注環境がさらに悪化。2022年6月期は売上高が約22億6,000万円まで落ち込んだほか、仕入価格や輸送費用の高騰が続いたことから利益率も低迷した。資金繰りも限界に達し、2023年1月4日、事業を停止し破産申請の準備に入っていた。その後、再度の資金ショートを起こし同年1月11日、行き詰まりを表面化していた。
(東京商工リサーチ調べ)
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