図書印刷同朋舎(京都)、破産開始決定-負債4億4,000万円
(株)図書印刷同朋舎(京都市下京区中堂寺鍵田町2、設立1964年1月、代表者:奈良平靖彦氏ほか)は7月17日、京都地裁へ破産を申請し同日、破産開始決定を受けた。負債総額は、約4億4,000万円。
1918年、同朋舎の屋号で創業。出版・印刷業を主業務とし、学術書・社史・寺史の出版のほか、カレンダー・ポスター・カタログ・パンフレット・手帳などの印刷物の企画・制作を手掛け、自費出版物の編集・印刷も併営していた。浄土真宗本願寺派や真宗大谷派のほか、地元私立大学、新聞社など多数に営業地盤を築き、1997年12月期にはピークとなる売上高30億4,383万円を計上した。
しかし、以降はインターネットの普及にともなう紙媒体の縮小などで取り巻く環境は徐々に悪化。減収に歯止めがかからない状況が続き、2011年12月期には売上高が10億円を割り込んだ。その後は社寺の宣伝のためドローンによる広告動画撮影ビジネスを模索し、徐々に実績を重ねていたが、既存事業の落ち込みをカバーするまでには至らなかった。
取り巻く環境の改善見通しが立たない中、2019年12月期は9,587万円の赤字を計上し債務超過に転落。こうした状況下で「新型コロナウイルス」の感染拡大により4月以降の売上が半減し、事業継続が厳しくなったことから、今回の措置となった。
なお、事業の大部分と従業員の大半は(株)ティ・プラス(京都市中京区)に譲渡されている。
(東京商工リサーチ調べ)