日本WPA、カーボンオフセット9,000トン達成
カーボンニュートラル印刷のさらなる拡大へ
(一社)日本WPA(奥継雄会長)は、印刷物の製作時に排出する二酸化炭素(CO2)を実質ゼロにするカーボンオフセット事業を2009年2月21日に開始した。そして、2023年7月時点で事業開始からの総オフセット量が9,000トンに達した。カーボンオフセット量は年間1,000トンを超え、前年度比で1.8倍になっており、カーボンオフッセットに参加する会員数も一気に増加している。
カーボンオフセットを採用した印刷物を、直近のオフセット量1,000トンで分類すると図のようになる。一般的には、印刷物でのカーボンオフセット採用は、企業・団体のIR関連の印刷物が大多数と想像されているが、実際は、企業・団体の日常活動に関するPR関連印刷物が、件数で38%、オフセット量で33%を占めており、最も多い印刷物分野である。
IR関連は、件数で27%、オフセット量で30%と、2番目の比率となっている。この傾向は、オフセット量が7,000トンを超えた段階から続いており、印刷物でのカーボンオフセットの採用が普及してきている証といえる。そのほか、行政関連、教育関連、定期刊行物、社内報や社用封筒などの事務用品などにも採用されている。新しくカーボンオフセットを採用した印刷分野は、パッケージやラベルなどの包装用途である
印刷物の製作時に排出するCO2量は、日本WPAが提供するソフトウェア(PGG:Printing Goes Green)で算出される。
PGGは、LCAの概念に基づき、印刷物製作時の原料(紙、インキなど)調達から廃棄・リサイクルの全工程で排出CO2を、正確に計算できるソフトウェアで、日本WPA会員に無償で提供されている。
PGGは、例えば用紙127.9kg/1,000枚を使用し、16頁、4色印刷、2000部を印刷する場合には、図のグラフとともに、総CO2排出量、各工程での排出量が自動で算出されるソフトウェアである。
PGGで算出したCO2量に相当する量をカーボンオフセットした場合には、印刷物1部あたりの排出量を見える化したカーボンオフセット・バタフライロゴが印刷物に掲載される。
