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SANYO-CYP、印刷立会の課題解決するソリューション提案

SCREEN GPジャパン/アビッド・フレックスブースで紹介

 (株)SANYO-CYP(本社/大阪市中央区、山村健司社長)は、印刷立会における移動コストなどの課題を解決する新しいソリューション「TrueColor印刷立会システム」を開発。page2024のSCREEN GPジャパンとアビッド・フレックスのブースで紹介し、正式リリースする。

 現在、印刷立会は印刷工場で印刷物を確認することが必須となっている。そのため、本機の場所まで移動するコストと時間のロスが発生し、クライアントにも遠くの拠点まで移動してもらう手間が必要になり、業界の課題の一つとなっている。SANYO-CYPのアソシエイトマネージャーである竹井信幸氏は「当社のクライアントの中には、ベトナムまで印刷立会に行っていたという企業もある」と話す。そのような問題を解決する新たなソリューションとして開発されたのが、「TrueColor印刷立会システム」である。


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「色味の変更もiPadで簡単に行える」と竹井氏

 同システムは、工場に設置している色見台で実物を撮影・画像化し、独自の特許技術であるTrueColorの色変換プログラムでiPad上に同じ色を再現することができるもの。色を再現した画像をオンラインで共有することにより、実物を移動することなく、どの拠点でも正しい色を判定することが可能になり、移動コスト削減と時間短縮に貢献する。

 また、色見本と本機印刷による印刷物を一緒に写した画像を、iPadにより正確な色をクライアントに確認してもらうことができるため、現地立会が不要になり、クライアントの時間・経費削減にもつながる。竹井氏は「元々は当社の関連会社が、アパレル業界の会社向けに、ECサイトで見る色と実物の色が違うという問題を解決するために開発に着手したものだが、それを当社のクライアントに話したところ、印刷の遠隔立会に利用できるのではないかとアドバイスをいただき、このたびの開発に至った」と説明する。そして、その企業は2023年10月に「TrueColor印刷立会システム」を先行的に導入。その効果についてはpage2024の会期中、SCREEN GPジャパンのブースにて、インタビュー動画を放映する予定だ。


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遠隔設備

 先進的なソリューションではあるが、「競合する類似製品も当社で調べたところ1社ある」と竹井氏。比較した場合の性能面の優位性について、「競合製品はスキャニングのため金・銀が光の反射で正確に表現できないことに対し、当社製品はカメラで撮影するため光沢感も再現できる。また、対応サイズについても競合製品はA3までだが、当社製品は撮影なので大サイズにも対応する」と説明する。さらに持ち運びが可能なことや、現状のインターネット環境で利用できる利便性、価格も1アカウントあたり12万円/月のサブスクリプションであるため、初期投資を抑えられる点などを優位性としている。

簡単3ステップで遠隔印刷立会を実現

 具体的な手順としては、まず、(1)工場の色見台で本機による印刷物を撮影(2)TrueColorの色変換プログラムで色変換(3)その変換結果がOKであれば、クラウド上にアップし、クライアントに確認してもらうという簡単3ステップ。その結果、色味に問題がある場合は容易に変更することができる。

 「トーンカーブを調整しながら、もう少し赤を盛るなど、印刷機で行う色調整を簡単にシミュレーションできる。印刷現場の場合、細かい色合わせは簡単にはできないため、立会にかかる時間も削減できる。また、印刷現場で何回も調整していると紙もインキもたくさん消費してしまうので、資材の削減にもつながることになる」(竹井氏)

 また、印刷立会の現場では、何回も調整した挙句、最終的に元に戻して欲しいということも少なくないようで、サブリーダーの津田充秦氏は「そのときの労力がすごくかかる。それをモニター上でOKをとってしまえば無駄な労力がかからないため、大幅な効率化を図ることができ、利益向上にもつながる」とメリットについて説明する。

 なお、同システムは代理店を通じての販売も予定しており、竹井氏は「代理店を通し、初年度30社の導入を目指したい」としている。コロナ禍を背景に、印刷業界でもオンラインを活用した技術やソリューションが受入れられやすくなっている中、来場者の注目を集めるシステムとなりそうだ。

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