多田紙工、紙ファイルなど多彩な加工サンプル展示
高度な加工技術を披露
多田紙工(株)(埼玉県さいたま市南区、多田信社長)はpage2024に出展し、その革新性と環境への配慮を兼ね備えた「エコ.プレスバインダー」による紙ファイルを中心に、多彩な紙加工製品を紹介。紙製品の可能性を再定義する高度な加工技術を披露する。同社は、これらの製品を先頃、さいたまビジネスアリーナで開催された「彩の国ビジネスアリーナ2024」にも出展し、業界内外から注目を集めていた。
副資材を一切使用しない完全環境対応の「エコ紙ファイル」
SDGsなどを追い風に「紙ファイル」の需要は高まっているが、同社が製造する紙ファイルは単なる紙ファイルではない。「針金」や「糊」などの副資材を一切使用しないエコ.プレスバインダーを使用した環境対応100%のエコ紙ファイルとなっている。同社では糊綴じによる紙ファイルにも対応しているが、多田社長は「エコプレスの方が営業の上でもインパクトがあるため、受注しやすいのではないか」と推奨している。
「エコ.プレスバインダーは副資材を一切使わないため、水に対する負荷も糊綴じより少ない。また、長年にわたりエコ.プレスバインダーの仕事をする中、印象的であったのは食品業界の仕事である。この業界は異物混入の基準が厳しく、とくに針金の混入などは問題外である。そのような顧客に対して、エコプレスは非常に有利な製本方式であるといえる」(多田社長)
「エコ.プレスバインダー」の優位性を挙げるとき、どうしても「環境に優しい」ことだけに注目してしまいそうになるが、針金を使わないことによる「安全性」も重要なポイントであることを多田社長は強調している。エコプレスバインダーは、環境に優しい素材を使用しながらも、耐久性と実用性を兼ね備え、ビジネスシーンにおける紙ファイルの新たなスタンダードを示唆していると言えそうだ。
高度な折りや抜きの技術を結集した多彩なサンプルを展示
page2024ではこのほか、繊細な折り技術と精密な抜き加工が施された多様な紙製品サンプルを紹介する。多田社長は、伝統的な印刷業界が直面する現代の課題にも言及し、「紙の使用頻度の減少と業界全体が厳しい状況の中、私たちは多様な加工機を駆使し、特に国内全メーカーの折り機を保有することで、大サイズから小サイズ、さらに『おみくじ』などのニッチなニーズにも応える加工技術を磨き続けている」と、持続可能かつ革新的な製品開発を通じながら、顧客の信頼を得ていきたい姿勢を示している。
同社はこれらの紹介を通じて、紙製品の新たな可能性を業界内外に広くアピールする。これは単に製品を紹介する以上の意味を持っていると言え、環境への配慮と技術革新の両立を通じて、持続可能な社会づくりに貢献する企業の責任と役割を体現している。未来への投資としてのこれらの努力は、業界のみならず社会全体にとっても大きな価値を持ち、多田紙工の先見性とリーダーシップを示すものといえるかもしれない。
多田社長は「今後も販促効果を高めた製品を考え、お客様に信頼されるモノづくりを行っていきたい」と話しており、会場への多数の来場を呼び掛けている。
