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チーム高知、「連携プレー」で技術革新に新たな一歩

ニヨド印刷 / 本山印刷 / 一誠社 - 「メイドイン高知」の技術PR

新たなビジネスチャンスを生み出す「YJ-10050」。東京に布教へ

 高速インクジェットプリンタ「YJ-10050」は、POD拡販担当でもある藤田上席執行役員が、兵庫・岡山・四国で56台を納入しているが、一誠社が今回、「チーム高知」の新メンバーとしてpage2024に出展する最大の理由は、「YJ-10050」を首都圏の印刷業界にも広めていくためだ。藤田上席執行役員は、「和紙に印刷できることが最大の特徴であるが、水性の顔料インキのため、例えばランチョンマットに印刷して、そこにビールや水をこぼしても滲むことはない。家庭で使っているものは水性の染料タイプのものなので滲んでしまうが、これは水に強く、郵便物を出すにしても雨に濡れても滲まない。また、食品を入れる場合もラミネートするため熱がかからず、プレスしないので紙が変化することもない。YJ-10050の水性顔料の特徴を生かし、ビジネスチャンスのヒントにしてもらいたい」と説明する。

 ニヨド印刷の御庄社長は、「もはやYJ-10050の教祖のようになっている。東京まで布教に行くみたいですよ」と冗談交じりに例えるが、「東京に広めたい」という本音のところは冗談ではなさそうだ。

 「当社で販売している植物の種が入ったシードペーパーについても、水性インクジェットでしか印刷できないため、YJ-10050での出力をお勧めしたい。レーザープリンタでは熱がかかってしまうため、種が死んでしまうのだが、このプリンタであれば種が死んでしまうようなこともない」(ニヨド印刷・御庄社長)。他に類を見ない汎用性に非常に優れていることも、YJ-10050が得意とするところであるという。

ニヨド印刷は新製品として「アートパネル」、「パタメモ」を紹介

 ニヨド印刷のブースでは今回、2つの新商品を紹介する。その1つは大人気商品「パタパタメモ」のライト版の「パタメモ」である。「パタパタメモ」は4面版であったが、新製品の「パタメモ」はかわいい2面版となっており、こちらも同様に人気を集めそうだ。

 また、新製品の「アートパネル」は、大小様々なサイズに対応可能な紙製スタンドパネル。金縁はつけずに印刷したもので、芯紙を巻くようにして作る。オリジナルグッズとしての色紙やアクリルスタンドの代替品として提案するもので、「一般的な色紙は金縁を巻くようにして作られているが、これができるところは限られており、家内産業的であるといわれている。そのため、色紙は人気の割には製造キャパシティが足りず、売り方、買い方双方が困っている現状があるという。それに対して新たな提案をしていきたい」(ニヨド印刷・御庄社長)

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アートパネル

 そのほか、同社ブースでは、副資材を一切使用しない「エコ.プレスバインダー」による紙ファイル、定番のノート、メモ、カレンダーなど、従来からのロングセラー製品を展示する。

 また、同社は「リサイクル可能な紙製品」の切り口でも、環境に配慮する企業としての取り組みを提案しているが、今回、紙プラリングやノート/カレンダーの金属リングを実際にどのようにして外すのかを動画を流すことで紹介する。この動画は、ニヨド印刷のホームページにも掲載しているという。

 「リサイクル可能と謳うだけでは、絶対に伝わらないと思った。そこで実際の外し方についての動画を、テロップをつけて紹介する」(御庄社長)

全国の印刷会社と「連携」し、ビジネスチャンスの創出へ

 最後に、初出展となるpage展への意気込みと来場者へのメッセージについて聞いた。

 「印刷業界は1,000社あれば1,000通りの業態がある業界になっていくと認識している。『さらば均質性!ようこそ多様性!』。これからは中小の印刷会社は個性がなければ生き残っていくことができない。そのような中、page展では全国の来場者に『一緒になって仕事をしていきましょう!』と呼びかけていきたい」(御庄社長)

 「当社では印刷の楽しさ、可能性のようなものを期待しながらやっているので、それをpage展で評価していただくことで、自分たちが今、どのようなポジションにいるのかを実感することができると考えている。今回の出展で自分たちが今、どのくらいの力があるのかを知ることができればと思っている」(本山印刷・本山取締役)

 「YJ-10050は封筒だけでなく、様々な商材に使うことができるので、商材をどのように生かしていくかをテーマにしている。新しいものを作り出すきっかけにしてもらえれば嬉しい」(一誠社・藤田上席執行役員)

 「YJ-10050」は100円ショップで販売しているマグネットにも印刷することができるようで、「少々では壊れないので、様々な素材に試していただきたい」と藤田上席執行役員は話す。また、御庄社長は「昨今はアップサイクルの紙など様々な素材が出ているが、オフセットやPODでは出力できないような、よく分からない素材にもとりあえずYJ-10050で試してみればいいかも知れない。まさに『実験台』として使ってもらうことができる」と、印刷業界に「夢と希望」を与えるプリンタであることを強調している。

 「会期中も、この素材はできるか、あればできるかと実験しながら、力を合わせ、それぞれの強みを生かし、より新しいものを生み出すということにチャレンジしていきたい」(本山印刷・本山取締役)


 なお、「チーム高知」のブースは、4階出口付近にある「印刷パートナーゾーン」。一誠社のブースを中央に構え、両社から素材を受け取り「YJ-10050」で出力する流れで実演する。どこまでの加工機、素材を持ち込むかは検討中とのことだが、「袋、紙ファイルのデモは予定している」と御庄社長。ブースの装飾については、あえて統一感は持たせていないようだが、「ブース近辺は、空気感で"高知"を感じることができるはず」と本山取締役は話す。

 会期中はpage2024のテーマである「連携」を彷彿させるデモが繰り広げられることになり、たくさんの来場者から注目を集めることが予想される。

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