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チーム高知、「連携プレー」で技術革新に新たな一歩

ニヨド印刷 / 本山印刷 / 一誠社 - 「メイドイン高知」の技術PR

 ニヨド印刷(株)(高知県吾川郡いの町、御庄康隆社長)、本山印刷(株)(高知市大川筋、本山珠里取締役)、高知県に営業所を構える印刷業界商社の(株)一誠社(高松市田村町、藤田誠一上席執行役員)は、「チーム高知」としてpaeg2024に初出展する。今回、高知の伝統と最新の印刷技術を組み合わせ、紙製品を中心とした製品サンプルを展示するだけでなく、来場者にその魅力を体験してもらうブースを設けた。紙製品の製作過程をデモにより紹介し、完成品をその場でプレゼントすることで、「メイドイン高知」の技術を全国に周知していく。


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ニヨド印刷ショールームにて(左から一誠社・藤田上席執行役員、ニヨド印刷・御庄社長、本山印刷・本山取締役)

 本山印刷とニヨド印刷が出会ったのは、6〜7年前に開催された高知県が主催する「ものづくり総合技術展」という地元の産業展。本山取締役は「たまたま隣のブースになったのだが、同じようなジャンルの商品を展示していたので、協力してお互いに良いものを持ち寄れば、自社だけではできない新しい紙製品を開発できるのではないかと感じた」と振り返る。

 そして両社はIGAS2018において、「チーム高知」として初の共同出展。一昨年のIGAS2022でも同様に共同出展した。その時点では新たなメンバーが加わる予定はなかったようだが、2023年5月、姫路モトヤの「神戸フェア」において、一誠社が(株)モリサとニヨド印刷の3社で共同出展。御庄社長は「山櫻のインクジェットプリンタ『YJ-10050』を使用し、高知県で和紙を販売するモリサさんの素材に出力するデモが大変喜ばれた。そして昨秋の『ものづくり総合技術展』で、モリサさんの素材だけでなく、当社の紙ファイルなどの紙製品に本山印刷さんの味のあるイラストを印刷したものを来場者にプレゼントとして配布したところ大変好評であったため、今度はこれを東京で披露したいということになり、この3社の共同でpage2024に初出展することになった」と説明する。ちなみに「YJ-10050」は和紙と非常に相性が良いプリンタのようで、今回もモリサの和紙素材を持ち込んでデモを実施する予定だ。

 「高知のような地方の印刷会社は、同業者で連携し、力を合わせて展示会に出展することは大切なことだと思う。当社はデザイン力には自信があるが設備は古いため、そこをニヨド印刷さんのリング製本の設備や紙ファイルの加工機にお世話になり、生産してもらうというコラボレーションを行うことにより、相乗効果が出ていると感じている。それを実際にpage2024の会場で行うことは大きなアピールにつながるのではないかと期待している」(本山印刷・本山取締役)


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本山印刷のデザイナー大久保氏の作品をYJ-10050で印刷

 また、一誠社の藤田上席執行役員は「商社の立場からいうと、コロナ禍で数年間は展示会を実施できなかったため、3t車にYJ-10050を積み込み、一軒一軒デモして回っていたが、今回page2024に初出展することにより、全国の業界関係者に広く周知することができる」と出展効果に期待する。

 また、コロナ禍で紙工会社も仕事がなくなる中、四国中央市・(株)今村紙工では、新たな展開として、内側にラミネート加工したバーガー袋を製造しているが、そこに付加価値をつけたいということで、「YJ-10050」で出力して販売しているという。藤田上席執行役員は、「YJ-10050はプレスしないので熱をかけず、インキを落とすだけのため、逆に言うとこのバーガー袋はこのプリンタでしか印刷できない。モリサさんにしても、これまでは原反のみを販売していたが、そこに付加価値をつけるため、YJ-10050で印刷して製品化していっている。page展では高知や四国内にある複数社で取り扱っている素材を持ち込み、その場でデモンストレーションを行うことでYJ-10050による新たな印刷の可能性を提案したい」と話す。

 「一誠社さんは四国内の紙会社で作られている様々な素材を取り扱おうとされている。それらの会社は、素材は作っても、それを全国の印刷会社に売り歩くというわけにはいかないので、それを今回のpage展で周知しようとされている」(ニヨド印刷・御庄社長)

 藤田上席執行役員は一誠社について、「当社は単に製品を販売するだけの商社ではなく、印刷・関連業界の会社と会社をつなげる『橋渡し役』であることを強みとしている」と、自社の役割について強調している。

「Paper message」のデザイナーがブースでイラストを描き、出力してプレゼント

 本山印刷は、2009年に「Paper message(ペーパーメッセージ)」というペーパーアンテナショップをオープンして今年で15年目を迎え、現在は高知・東京・大阪に、全国3店舗を構える。

 「Paper messageで取り扱うオリジナル紙製品のコンセプトは、『印刷の楽しさを伝えたい』ということ」(本山取締役)。約6,000のアイテムを取り揃えており、季節商品などを入れ替えながら、常時2,000〜3,000アイテムが店頭に並ぶ。「デザイン力」が勝負の業態であるといえ、それこそが同社の最大の強みとなっている。

 「page2024では、3人のデザイナーを連れて行き、ブースで様々なイラストを描かせていただく。そして、そのデータをその場でYJ-10050によりプリントして製品化し、来場者の方々にプレゼントするというちょっとしたイベントを実施する。その場でアイデアが形になると言うのはすごく魅力的なのではないかと思っていて、来場者の関心を惹けるのではないかと期待している」(本山取締役)。

 1枚10分程度で描けてしまようであるが、イラスト待ちの列ができてもおかしくない魅力的なサービスである。そのほか、Paper messageで販売する商品もサンプルとして多数持ち込んで展示する。

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