Yousei、IGAS2022出展機 - swissQprint製「Impala4」導入
「設計思想」に信頼感〜国内初で「ネオンピンク」を搭載
生産性は従来の10倍以上に向上
「Impala4を導入して、これまでは2時間半〜3時間近くかかっていたものを15分程度で出力できるようになった」(松本社長)。つまり生産性は10倍以上に向上したことになる。Impala4は、毎時180平米という生産性を実現するため「レーザー加工機を増設しなければ、プリンタのスピードに対応できない」(松本社長)というほどだ。
これまで3台を稼働させていたフラットベッドプリンタを1台で実現できるようになった効果は絶大で、「まず、管理が楽になった。3台を1台に集約したことで、色合わせやインクの交換、メンテナンスまで、すべてが1台分で済むようになった」(松本社長)。オペレーターの人員も、これまで3人必要だったのが1人で済むようになった。
また、大型でプリント量も大きいことを想定しているswissQprintのプリンタでは高速・高精細印字を実現できる耐久性の高い、つまり目詰まりのしにくいプリントヘッドを搭載していることでも定評がある。「従来機は2〜3週間に1度はいずれかのプリンタのヘッドの交換が必要だったが、swissQprintの場合、ヘッドの交換の頻度は相当に少ないと聞いている」(松本社長)。この後に説明するが、同社はプリンタを毎日掃除し、きれいに保つことで他のユーザーよりも高品質な出力を実現できることを強みの1つとしているため、交換による手間や時間は間違いなく大幅に削減できることになりそうだ。
さらに、これまで使用していたプリンタはアクリルに箔を押す専用機として使用しており、松本社長は「これにより、Impala4の付加価値をさらに高めることができる」としている。
そして、「非常に簡単で便利な機能」と松本社長が評価するのが、swissQprintのフラットベッドプリンタに標準搭載されている「ワンタッチバキューム」である。256チャンネルに分割されたワンタッチバキュームにより、指1本で素早く簡単にチャンネルのオン・オフを切り替えることができる。
「バキュームの吸い付きがこれまでのプリンタと比べて非常に強い。従来はアクリルがそれている場合、端をセロテープで固定しないとヘッドがぶつかっていたが、その心配もなくなった」(松本社長)。また、バキュームテーブルにはカットチャンネルが装備されており、ロールメディアや薄いメディアの正確なカット、トリミングに利用できることも評価していた。
印刷機のコンディションは常に最高の状態
同社では、Impala4を導入する以前より、プリンタメーカーの各社から「同じプリンタを使用しているのに、Youseiさんの印刷物は他社ユーザーよりも断然にきれいですよ」と言われていたという。その理由について松本社長は「当社ではプリンターの掃除は毎日行い、常に印刷機のコンディションを最高の状態に保つことで100%の能力を発揮できるようにしている」と誇る。メーカーにとって、機械を丁寧に扱ってくれる同社のようなユーザーは嬉しい限りだろう。また、同社はImpala4を導入するにあたり、前準備として専用の「クリーンルーム」を設置した。このことからも、同社がいかに設備を大切にするユーザーであるかが分かるだろう。「ヘッドが抜けていても平気でそのまま印刷したり、検品や管理が緩いユーザーも少なくないようで、プリンタの能力を100%発揮できることも当社の強みの1つである」(松本社長)。まさに「メーカー冥利に尽きる」ユーザーといえそうだ。
Impala4から大きな恩恵を受けている同社だが、その操作性について松本社長は「パフォーマンスを十二分に発揮するには、オペレーターにもある程度のデジタルスキルが要求される」と決して誰でもすぐに操作できるというわけではないと指摘する。ただ、それゆえに「オペレーターのスキルと習熟度の向上により、印刷物の高品質化、差別化を図ることが可能なことも楽しみの1つ」と松本社長。Impala4を活用し、様々な出力物を試したいというユーザーには、まさにたまらないプリンタと言えそうだ。
また、ある程度のデジタルスキルを求められながらも「プリンター操作する上で、これは絶対にしてはいけないというところはポップアップで忠告される」(松本社長)ため、誤操作の心配はない。メーカーの中には、ここは何故このようになるのかと納得できないような製品もあるようだが、swissQprintの場合、設計者の思想が伝わってくるようである。
「これまで様々なメーカーの機械を使用してきたが、"設計思想"が感じられるメーカーは初めてである」(松本社長)
ここに、メーカーとしての絶対的な信頼と安心感を抱いたのが、導入の決め手になったことはいうまでもない。
会社の「姿勢」が如実に現れるプリンター
Impala4を導入し、稼働を開始した感想として松本社長は「その会社の『姿勢』がはっきりと分かるプリンタである」と表現した。複雑で難しいニーズにも、そのパフォーマンスを最大限に発揮させる工夫と努力をすれば、その期待に応えてくれる。逆に、プリンタを導入しただけでは、なかなかその能力を発揮するのは難しく、その差は「品質」となって如実に現れてくるということだろう。もちろん、同社が前者であることはいうまでもない。
今後、同社は個人顧客だけでなく、まんが業界やその他の業界に向けて法人向けサービスを展開していきたい考えだ。また、一目見て高付加価値であることが分かるような新商品を開発していく構想もあるという。松本社長は「そのためのアイデアはまだないが、swissQprintのプリンタは、本当に作りたいものがあれば、それをカタチにすることができる」と絶対的な信頼を寄せる。さらに、しっかりしたサポート体制とユーザーの悩みに全力で取り組んでくれる姿勢も高く評価。「万が一の場合も安心」(松本社長)と、今後もswissQprintをパートナーに将来の構想を実現していく考えを語った。
swissQprintはIGAS2022の同社ブース(小間番号2-33)において、フラッグシップ機であるNyala4に2色のネオンインク(ピンクとイエロー)を搭載し、インパクトのある実機デモを行う予定だ。