Yousei、IGAS2022出展機 - swissQprint製「Impala4」導入
「設計思想」に信頼感〜国内初で「ネオンピンク」を搭載
同人向けアクリルキーホルダー制作の「Yousei印刷」を運営するYousei(株)(本社/大阪市東住吉区、松本暢亘社長)は2022年9月、国内初となるネオンインク搭載のswissQprint第4世代フラットベッドUVインクジェットプリンタ「Impala4」を導入した。同社はこれまで、複数メーカーのプリンタを使用してきたが、「『設計思想』が感じられるメーカーはこれまでになかった」(松本社長)というのがswissQprintのプリンタを初導入した最大の理由だ。そこに信頼と安心感を抱き、アクリルキーホルダーを出力する新たなパートナーとして本格稼働を開始している。
同社は2015年に設立。その数年前、アクリルグッズを作りたいと思った松本社長は印刷会社をリサーチしたが、「私が本当に作りたいものを制作できそうな印刷会社がなかった。それなら自分で作ってしまおうと考えた」(松本社長)のが会社を立ち上げるきっかけになった。2013年頃から様々なメーカーのプリンタを研究するとともにビジネスの構想を考えた。そして、2015年のフラットベッドプリンタ購入と同時に「Yousei(株)」を設立。社名について松本社長は「今までにないものを作りたいとの思いから、不思議でファンタジーなイメージのある名称にした」と由来を話す。
「Yousei印刷」の最大の特徴は、競合サイトとは料金形態が根本的に違うところだ。「他社サイトはオプションに別料金がかかるが、当社の場合、同じ料金内で対応が可能」と松本社長は説明する。例えば、金具の形の変更や、アクリルの色を変えるのに他サイトでは数十円の別途料金が必要になり、また納期も延長になる場合もあるが、同社の場合はすべて「込み込み」価格である。
松本社長は「同人作家が自分の作りたいものを形にしたくても、お金や納期がかかることで筆が止まることがある」と説明する。作家が価格や納期を気にせず、本当に自分の作りたいものを作れるようにサポートするのが同社の方針である。これは、かつて松本社長が「自分の本当に作りたいものを作ってくれる印刷会社がなかった」という過去の経験が関係しているのかも知れない。
瞬時に興味を抱いてもらえる作品を出力
同社が顧客とするのは主に同人作家。制作したアクリルキーホルダーは同人イベントなどでファンに販売されるものである。会場で来場者の目を惹くためには、如何にして瞬時に興味を持ってもらえるかがポイントになるという。
「会場で来場者がブースの前を通り過ぎるまでの時間は3秒程度。この時間内に、如何に来場者に興味を持たせ、作家の作家性やこだわりを分かりやすく伝えるかが大切になる」(松本社長)。このため、色の再現性や画質以上に「目立つ」ことが必要になる。これまでは、作品の発色をわざと上げたりしていたこともあったようだが、「ネオンインク」の存在は、同社の「Impala4」への関心をさらに高めることになった。同プリンタは最高品質1,350dpiの高画質を実現するが、同社にとってはそれ以上に「ネオンインク」の存在が必要不可欠であった訳である。
「Impala4」のインクジェットヘッドは最大9色。CMYK+5色を追加できる。同社で受注するアクリルキーホルダーでは、CMYKにライトシアン、ライトマゼンタ、ホワイト、バーニッシュは必須。搭載できるヘッドはあと1色である。「swissQprintでは、ピンクとイエローの2種類のネオンインクを発表している。両方とも搭載できればよかったのだが、ヘッドの本数の関係でできなかった...」(松本社長)。ネオンピンクを選んだ理由については「ビビッドできれいであったことと、当社ではマゼンタの消費量が一番多いため、赤寄りのネオンピンクを選択した」(松本社長)。ちなみに、アイキャッチな特殊効果を得られるネオンピンクについても同社の場合、追加のオプション料金は不要だ。注文時に指定すれば良いため、「どうせ同じ価格なら使ってみようかと、ほとんどの顧客がネオンピンクを指定している」(松本社長)。
ネオンピンクの効果だけでなく、「Impala4により印刷の粒状感も良くなったことも、顧客からも喜んでいただいている」(松本社長)ということで、今後、イベント会場などでの作品の販売に大きく影響していきそうだ。