IGAS2022|太陽機械製作所、ハイエンド凸版輪転ラベル印刷機発表
凸版輪転機のイメージを逸脱〜スキルレスとロス削減実現
これまでのイメージを逸脱するかのような凸版輪転ラベル印刷機が誕生した。(株)太陽機械製作所(本社/東京都大田区羽田空港1-8-2、岡倉登社長)がIGAS2022で発表する「TUR-250 Tutti+(トゥッティプラス)」は、最高速度120m/分という輪転機の高生産性はそのままに、スキルレスによる作業性の大幅な向上と数値化された操作による大幅なロス削減を実現。アナログの最先端技術を駆使した、まさに凸版輪転機の「最終形」とも言える夢のようなハイエンド印刷機となっている。岡倉社長は「輪転機ならではのスピードと臨場感を体感してもらいたい」と同社ブース(小間番号5-2)でのデモンストレーションに多くの参加を呼び掛けている。
汎用品とオーダーメイドの「両利き」の製品開発で競争力強化
同社は、フォーム輪転機やシール・ラベル印刷機、インクジェット用の紙搬送・加工ラインなど幅広い製品を開発・製造するメーカー。これまでにフォーム輪転機は1,300台以上、シール・ラベル印刷機も600台以上を出荷している。
製品開発方針は「人と機械のハーモニー」。岡倉社長は「メーカーよがりの製品開発ではなく、お客様に価値を生んでもらうことのできるメーカーでありたい」と話す。2021年に創業60周年を迎えた同社は初代社長、2代目、4代目の岡倉社長がエンジニア出身であるため、会社としても技術へのこだわりは相当に強いという。岡倉社長は「私もかつては図面を描いていた。このため、時としてメーカー本意の技術をアピールしたくなるときもあるが、機械を開発するのは、あくまでも手段であって目的ではない。『顧客主義』のメーカーで在り続けたい」と製品開発への思いを語る。
そんな同社のメーカーとしての強みは、汎用品とオーダーメイドの「両利き」の製品開発ができることである。これは口で言うほど簡単なことではない。フォーム業界、シール・ラベル業界で長年にわたり技術を培ってきた同社だからこそできることと言えるだろう。
近年は、オーダーメイドのニーズがさらに高まっている傾向にある。メーカーとしては、汎用製品が多く販売できる方が効率的なのはもちろんであるが、長引くコロナや資源高騰、大幅な円安など、先の見えない経済状況の中、汎用製品がそう簡単に売れる時代ではない。その意味で、「両利き」の製品開発ができる同社にとっては有利な時代が到来したと言えるかも知れない。
岡倉社長は、「現在のオーダーメイド製品の受注は35%程度だが、将来的には半々にまで増えていくのではないかと予測している」と話しており、これまでに培った印刷・加工技術にさらに磨きをかけながら、新規技術を駆使して、顧客主義での製品開発に注力していく考えだ。