富士フイルム、「印刷会社の持続的成長のために」- スマートファクトリー化による最適生産環境提案
[IGAS2022出展]FFGS 安田庄司技術本部長に聞く
成長戦略を描くお手伝い
IGASにおいて富士フイルムが掲げるもうひとつのキーワードが「成長戦略」です。成長戦略といっても各社様々で、それぞれ描くシナリオは異なります。IGASでは、印刷会社が「少し視点を変えて先を見る、そして成長戦略を『描く』ということを思考し始める」ということのきっかけを提供できればと考えています。
ブース中央の企画展示ゾーンに、「印刷ビジネス魅力発信コーナー」を設置。「新たな印刷ビジネスの魅力を、ここから」の出展コンセプトに即し、来場者の企業成長のヒントを提示します。「自社の強みを活かした新たな価値提供」、「柔軟な発想で生み出した独創的な印刷物」など、印刷会社が実際に手がけた様々な事例を展示し、その印刷物や製品、サービスが、クライアントからどのように評価されているのかなどをご紹介します。
現状の強みや弱みを定量的に捉えていくことが重要であり、生産プロセス、設備などの観点で、我々はお客様に寄り添いながら成長戦略を一緒に考えていきたいと考えています。そのヒントとして他社の事例を参考として展示する計画です。
世界初のB2サイズ乾式トナー機を稼働展示
オフセット分野からは、視認性を大幅に改善させた完全無処理サーマルCTPプレート「SUPERIA ZX」を発表します。
富士フイルムは、完全無処理プレートの開発において、「有処理版と同等の使い勝手と性能」を目指してきました。その意味で今回の「SUPERIA ZX」は非常に完成度が高いと自負しています。
全方位的に性能を進化させた次世代無処理プレートですが、今回最大の開発項目となっているのは視認性。それぞれの性能はトレードオフの関係にあり、それをブレイクスルーしたのが今回の技術です。「SUPERIA ZX」では、4つの新たな技術投入で、他の性能を劣化させることなく視認性を向上させることに成功しました。
一方、デジタルプレス分野からは、乾式トナー技術を採用した世界初のB2サイズ枚葉デジタルプレス「Revoria Press B2(仮称)」を技術展示します。
用紙汎用性に優れた乾式トナー技術を採用することで、様々なメディアを活用したアプリケーションを柔軟に出力し、さらにスキルレスな操作性を実現。会場ではホリゾンと連携し、B2デジタルプレスによるフォトブックの自動化事例をご紹介します。
PODが普及してきた中で、サイズがボトルネックとなり、「なかなか仕事を広げられない」という声がありました。「Revoria Press B2」は、そんなニーズをカバーするデジタルプレスです。今回、世界初のB2乾式トナー機の実機を稼働させることから、IGAS最大の目玉として大きな注目を集めると期待しています。
さらに、JetPress750Sについては、海外ですでにリリースしている高速化モデルを参考出品として国内で初展示します。3,600回転の標準モードに加え、B2インクジェットプレスとしては世界最速となる5,400回転の高速モードを実装。会場では、国内外のJetPress導入顧客サンプルの展示や実例紹介と合わせて、実機による両モードでのデモを通じて、オフセット印刷の代替が可能な唯一無二のデジタル印刷機として訴求します。
さらに、ワークフロー分野からは、「Revoria One Production Cockpit」を中心に、利益を生み出す最適な生産フローをご紹介します。
さらにこの分野の見どころとなるのは、高機能バリアブル印刷ソフト「FormMagic5」。自動組版機能でバリアブルデータの作成を省人化できるだけでなく、グラフ、バーコード、表、イメージバリアブルなどの多彩な表現力で、バリアブル印刷提案の増力化に貢献します。会場では、その開封率が再注目されているDMを題材にバリアブルデータ作成の実機デモの他、DMとネットの連携事例などを、成長戦略のひとつのヒントとしてご紹介します。
また、POP、チラシ、パッケージ、アクリル、シール・ラベルなど幅広い分野で利用可能な自動レイアウト&プランニングソフト「tilia Phoenix」は、MISの受注情報と連携してオフセットとデジタルの最適な振分けをコストベースでシミュレーションするツールとして紹介。印刷コストや後工程、納期・配送先などを考慮した時、そのジョブにとって最適な生産方法は何かを瞬時に導き出すデモを通じて、簡易的なMISとのセットで小規模事業所でも自動化を実現できることをご提案します。
このIGASを、今後の生産改革の方向性や印刷ビジネスの可能性について共に考え、ディスカッションし、新たな一歩を踏み出すきっかけにしていただければ幸いだと考えています。