セントラルプロフィックス、アナログ管理からの脱却
KP-コネクト プロと製本工程を連携〜全工程の見える化・自動化に挑戦
1950年に創業し、企業理念「選ばれ続ける品質を」のもと、「品質に強いこだわりのある」製版から校正・印刷・製本加工等をコア事業としている(株)セントラルプロフィックス(本社/東京都中央区)は、2020年からKP-コネクト プロを本格導入し、生産管理の見える化を進め、合理化を図ってきた。その同社では新たに、KP-コネクト プロと製本工程との連携を進め、アナログ管理だった後加工の見える化・自動化を実現した。今回、後加工連携の取り組みについて、同社の専務取締役生産本部本部長の森澤弘氏、千葉第二工場副工場長業務進行課課長の吉田彰氏、千葉工場加工課の御園涼太氏、日野薫氏に聞いた。
セントラルプロフィックスは、本社、豊洲工場、千葉工場の三つの拠点を持ち、豊洲工場は校正と印刷、千葉工場は校正・印刷から製本加工・物流までのワンストップサービスを手がけている。千葉工場が編入し、3拠点体制になったのは2017年からだが、業務に対する意識や物理的な帳票類も含めて文化が異なるため、どのように管理していくかが喫緊の課題だった。そこで2020年に導入を決めたのが「KP-コネクト プロ」である。
森澤専務は、「KP-コネクト プロの導入により、各工場の印刷機の稼働状況が常にどこでも見えるのは非常にありがたい。当社のMISとKP-コネクト プロが連携しているので、受注伝票が発行されてから、すべて同一伝票番号で一括管理され、各部署の生産管理システムに飛んでいく。非常に便利になり、情報の共有が進み工場全体の効率も上がっている」と話す。
工程の見える化・自動化が進んだことで、強みにも磨きがかかった。「商品カタログ、映画のプログラム、ポスター等、品質に厳しい仕事が多く集まる当社は、本機校正・同一機印刷が強みである。本機校正・同一機印刷は校了紙とほぼ同じ色味で即座に本刷りに入れるため色合わせに時間がかからず、損紙が非常に少なく済む。各印刷工場は24時間稼働であり、大量に受注をいただく校正刷りは夜中に行い、朝にクライアントへ届けている。以前は、営業が出社後に各工場へ進捗確認の電話を頻繁にしていたが、KP-コネクト プロ導入後は進捗状況が各営業の端末画面で分かるため、問い合わせが大幅に減っている」
印刷工程での手応えを得て加工工程にも連携を拡大
現在は、KP-コネクト プロの活用範囲を後加工工程まで広げている。森澤専務は、「加工部門はアナログ作業が多く、遠隔での見える化が難しかったが、KOMORIと各加工機器メーカーの連携強化のおかげでチャレンジできた」と話す。
吉田副工場長は、「加工現場では、予定表や当日の仕事内容が紙でオペレーターに共有され、手書きで実績を記入し、集計するアナログ方式であった」と加工工程との連携前の状況について振り返った上で、KP-コネクト プロの活用が進んだことにより、進捗管理・実績管理の面で効果が出ていると語る。
吉田副工場長は、「機械の稼働状況やオペレーターの作業実績をすべてデータとして抽出し、それらのデータを基に実績管理ができるようになった」と、KP-コネクト プロの活用成果について説明する。また、進捗管理については、「一冊の本は複数台の印刷と各折丁に分解されて進行するため、この複雑さが工程管理の難しいところ」と、これまでの課題について触れた上で、「KP-コネクト プロでは分解された工程を、綴じに集結させていくようにジョブの作成ができるので進捗管理がやりやすくなった。また、それらがすべて1画面の中で行えるので重宝している。さらに最新の進捗状況が見られるため、『もう1本仕事を入れられる』、『ここが遅れた場合はここで対応しよう』ということをすぐに考えられるようになった。また、営業が案件をMISに登録すると、KP-コネクト プロ上に自動で反映されることが大きなメリットになっている。夜中の仕事が急に増えた場合も、営業と現場が打ち合わせをすることなく、自動的に仕事が進んでいく」と話す。