ハイデルベルグ・ジャパン、特色インキ発注をDX化〜「パントンマネージャー」発表
ハイデルベルグ・ジャパン(株)(本社/東京都品川区、ヨルグ・バウアー社長)は7月26日、同本社において記者会見を開き、特色インキ発注のDX化を実現する新しいアプリケーション「パントンマネージャー」が利用可能になったことを発表した。
会見の冒頭、挨拶したバウアー社長は、「ハイデルベルグeShopに搭載された新たなアプリケーションのパントンマネージャーを使用してもらうことで、これまで時間を要していた特色発注プロセスがわずか数クリックで完結し、印刷現場で見えなかったコストの透明化により、工場経営の利益創出が可能となる」と今回、発表したパントンマネージャーの利用メリットについて説明した。
パントンマネージャーは、わずか数クリックで特色インキの発注が完了するアプリケーション。これにより今までインキの種をゼロから練る時間、コストを大幅に削減する。パントンマネージャーを使えば数クリックで仕様に応じたインキが納入される。ゼロから特色インキを練るのではなく、ある程度完成されたインキを使用することで無駄な時間コストを削減することができる。特色インキは、最終的に微調整されることもあるが、標準特色インキを微調整することは、ゼロから練ることよりも時間やコストを削減できる。購入はすべてオンラインで完結するので、面倒な紙面でのやり取りやインキメーカーの訪問も不要となる。
同社・ライフサイクルソリューションズ本部の大澤瑞穂氏は、「人件費が仮に2,000円のオペレータが1時間、インキの種の練る作業を行った場合、そのインキのコストはインキ1つの値段に対し2,000円の人件費が上乗せされる。インキの値段を仮に3,000円とした場合、人の手で練ったインキは5,000円のインキになる。インキを練る間にオフセット印刷機が一時的に止まってしまった。インキを練る時間をメンテナンスや他の作業時間に充てられるとしたらなど、普段何気なく使っているインキにも、コスト削減、利益創出のポテンシャルがある。また、DICの特色数652色に対し、Pantoneは2161色になる。Pantoneのカラーガイドがあれば、DICの特色の近似色を選択することで対応することが可能である」と、パントンマネージャーを使用することで生まれるメリットについて語った。
また、今回のパントンマネージャーによる特色インキの発注プロセスについて、都インキ(株)の原田邦夫社長は、「当社は、自然由来のバイオマス原料を使った資材が望まれる中で、ユーザーニーズに応える次世代型環境対応印刷インキ『サステナブルインク』を販売してきた。サステナブルインクは、昨今話題となっているフランスの包装材及び印刷への鉱物油規制(フランス鉱物油規制)に対しても、規制をクリアする製品となっており、世界レベルでも環境対応した製品と言える。今回、ハイデルベルグ・ジャパンが発表した新たなDXツールのパントンマネージャーは、これまでの特色インキ発注プロセスを変え、印刷産業のSDGsにもつながる大きなパラダイムシフトになると考えている。パントンマネージャーとサステナブルインクの組み合わせにより、DX化と環境対応の両立を図るソリューションを提供できる」と述べた。
