ケーニッヒ&バウアー社、デジタル化、効率化、持続可能性で「印刷を超える」
世界で最も歴史ある印刷機メーカーが印刷の未来を示す
ケーニッヒ&バウアー社は、drupa2024において4,000平方メートルを超えるブースを構え、自社の「Exceeding Print(印刷を超えて)」戦略の3つの柱である「持続可能性」「デジタル化」「モジュール化」をテーマとしたプレゼンテーションで、革新イノベーションを紹介する。
同社のアンドレアス・プレスケCEOは、「drupaの実行委員長として、見どころの多い見本市を楽しみにしているとともに、ケーニッヒ&バウアー社CEOとしても、デジタル化と持続可能性をテーマとした最新のイノベーションを来場者に紹介できることを楽しみにしている」とコメント。また、同社CDOで、ケーニッヒ&バウアー・シートフェッドCEOであるラルフ・サメック氏は、「プリプレスからポストプレスまで、ケーニッヒ&バウアーの製品は、単一サプライヤーだからこそできる高精度、高性能、ハイエンドのソリューションというものを象徴している。当社のワークフローとデジタル化ソリューションにより、デジタルと従来からの生産ラインが息をのむような成果をあげていることを体験していただけるだろう」とコメントしている。
drupaで展示されるすべての印刷機および加工機械(Rapida106X、VariJET106、CutPRO X106ロータリーダイカッター、CutPRO Q 106 SBフラットベッド・ダイカッター、Omega Alius 90フォルダーグルアー)に搭載された最新機能は、前世代と比較して20%以上性能が向上しており、紙器生産の新たなベンチマークを打ち立てる。
Rapida枚葉印刷機、デジタル紙器印刷機VariJET106、そして段ボールの後印刷・後加工用のフレキソ印刷機は、あらゆる生産要件、幅広い材料、1部から100万部までの印刷ロットをカバーする。
ポストプレス分野では、エンボス、筋入れ、型抜き、ストリッピングのための最大4つのプロセスユニットを備えたロータリーダイカットソリューションとともに、広範囲の自動化機能を備えた中型および大型のフラットベッド・ダイカッターを発表。フォルダーグルアーに関しては、4つの製品ファミリーと合計16種類の用紙幅から、特定の生産要件に合った装置を選択できる。
デジタルの世界をナビゲート
同社ブースでは、デジタル技術による革新的パッケージ向けワークフローを紹介する。同社デジタル化担当副社長のサンドラ・ワグナー氏は、「データの完全な透明性、革新的なクラウドとAI技術、そして新しい画期的なビジネスモデルが我々のデジタル戦略の焦点である。drupaでは、世界トップクラスの生産機械を、最新鋭のデジタル製品によって、さらに次のレベルに引き上げることができることを示したい」と語っている。
同社の合弁会社であるケーニッヒ&バウアー・ダースト社が開発したVariJET 106枚葉デジタル印刷機が今回初めて公開される。このパッケージ印刷用デジタル印刷機は、デジタルインクジェットの長所と従来のオフセットの利点を組み合わせたもので、同社ブースでもパッケージング・ワークフローの一部として展示される。会場では、食品や飲料、医薬品、ヘルスケア、化粧品などの幅広いアプリケーションサンプルが展示される。
また、ケーニッヒ&バウアー・ダースト社が供給するデジタルシングルパス印刷機の中でも、Delta SPC 130は、段ボール市場で既に高い実績を誇る。SPCコントロールコンソールを見ることで、Delta SPC 130がダースト社のワークフローとアナリティクス機能に基づき、どのように現在の生産現場において統合されるかを知ることができる。
ケーニッヒ&バウアー・ダースト社のマネージング・ディレクターであるダニエル・ヴェレマ氏は、「紙器・段ボール市場向けのデジタル枚葉印刷機、シングルパス印刷システム、ソフトウェア・サービスの世界有数のサプライヤーとして、またデジタルとパッケージング・印刷業界の2つの巨人をパートナーとして、私たちは今後数年間で大きな成長の可能性を感じている」と語っている。
全製品を紹介するハイブリッドショー
会場では、ライブデモに加え、一連のハイブリッドショーを通じて、大判印刷、商業印刷、デジタル印刷、段ボール印刷、フレキソ印刷、ポストプレス、そしてガラスや中空容器の加飾、金属加飾、紙幣印刷などの包括的な製品ポートフォリオのすべてを紹介する。
ラージフォーマットでは、Rapida145枚葉印刷機、Ipress 145 K PROフラットベッド・ダイカッター、Omega Allpro 110フォルダーグルアーが、ライブ解説付きのショーで実演される。また今回、パッケージング印刷専用に構成されたハーフフォーマット枚葉オフセットRapida76印刷機も展示される。
ラベル分野では、Rapida 106 Xとリール・ツー・シートフィーダー、コールドフォイルモジュールなど、ラベル生産に特化した設備を展示。印刷されたラベルは、CutPRO X 106ロータリーダイカッターと特殊全自動ブランキング設備に送られる。
さらに、産業用商業印刷機向けのソリューション・パッケージにも焦点を当てる。これは、高性能の印刷機技術だけでなく、印刷会社の日々の生産をサポートするスマートな拡張性を意味し、個々のソリューションはユーザーそれぞれのビジネスモデルや業務構造に合わせて構成することができ、効率と性能能力を高めて一貫した品質管理を保証し、生産の持続可能性を向上させる役割を果たす。
段ボール加工を高度に自動化
段ボール分野では、ChromaCUT X ProとChromaCUT High Tech 2Sという高度に自動化された機械をハイブリッドショーで紹介する。ChromaCUT X Proは、プリセット可能なダイカッター・ユニットにより、生産中に新しい抜型の準備作業ができる。高度に自動化されたこの機械は、特許を取得した数々の機能により、生産性をさらに一段と向上させる。チェルマ2Sテクノロジーは、ケーニッヒ&バウアー・セルマックの最新技術で、Chroma High TechおよびChroma Smartに搭載される。これにより、効率が向上するだけでなく、生産コストも大幅に削減できる。
大容量デジタルインクジェット輪転印刷
RotaJETデジタル輪転機でのデジタル加飾印刷と大量インクジェットという特徴を最大限に活かしたパッケージング・アプリケーションを展示する。とくにこれらの製品・製造工程すべてが、同社のデジタルAIソリューションと直接連動している点、それと同時に多くのアプリケーションが、ケーニッヒ&バウアー・バンクノート・ソリューションズのValiPackソリューションに基づいて、セキュリティ保護されていることは、まさにハイライトと言える。
同社は、シングルパス・インクジェット印刷機のマーケットリーダーとして、様々な装飾アプリケーションを展示する予定。企業ブランディングを施した高品質のフロア・ラミネートや、リピートなしでAIが生成した18メートルの装飾印刷(デカー印刷)は、デジタル装飾印刷を新たなレベルに引き上げる。
CIフレキソ印刷
CIフレキソ印刷分野では、食品包装用の生分解性フィルム製品に焦点を当てる。XD Proは高度な自動化とシンプルな操作性を兼ね備えており、高性能のXGはオプションのフライング・スリーブチェンジ(SSC)で大量生産にも柔軟に対応できるため、紙器や板紙パッケージング用途での効率性が特徴である。同社のCIフレキソ印刷機はコンパクトな設計で、難しい材料でも迅速なジョブチェンジ、高い印刷品質、見当精度を実現する。