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田中紙工、オリジナルカードゲーム作成サイトが好評

オンデマンドトランプ・カルタ・カード〜手軽さと幅広い商材で人気

 (株)田中紙工(東京都板橋区、田中眞文社長)は、トランプ・カルタ・各種カードのオリジナルカードゲーム作成サイトを運営しており、誰でも簡単に作成できる手軽さ、幅広いカードゲームのラインアップで受注を伸ばしている。今年9月の売上昨対比は163.1%だ。訪問ユーザーの直帰率は今年7月〜9月の平均で3.5%。担当の印刷室・加藤千晶氏は「サイトの訪問者からは、何かしらのアクションがあることがほとんど」と話す。通販ビジネスは大きな可能性を秘めているが、必ずしも成功するという訳ではない。同サイトが急成長を続ける理由を取材した。


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https://ondemand-trump.com


 同社は2012年7月、新規事業としてWeb上でオリジナルトランプを1セットから作成・注文できるサービス「オンデマンドトランプ.com」を開始した。昨年には開設10周年を迎えたが、この間、コロナ禍でも売上は堅調に推移。田中社長はその理由について、「認知度を高めるためのプロモーションにも力を入れているが、完全データ入稿でないと作成できないというサイトが多い中、当サイトは画像データさえあれば作成できるという手軽さが受けているのではないか」と分析する。

 さらに、2020年にインターフェイスを切り替えてからは、ユーザビリティが劇的に向上。スマホからストレスフリーで簡単にオリジナルトランプの編集作業ができるようになり、画像のアップも一瞬で行えるようになった。このため、「今は7割以上がスマホからの注文となっている」(加藤氏)。写真もスマホでの撮影が当り前となっている現在、スマホで簡単に編集できることが注文を増やしている要因の1つになっていることは間違いない。

 最近のアップデート情報としては、トランプの写真の淵にテキストを入れられる機能を追加した。加藤氏は「旅行やイベントの写真に、『楽しかったね』などのメッセージを入れることができる。オンデマンドトランプでは、幼稚園の卒園記念での活用が好評だが、そこに園児の名前や特技、将来の夢などのメッセージを入れることで、より思い出に残るトランプを作ることができる」と説明する。

 また、「Google Analytics」を徹底的に活用していることも、同サイトが急成長を続ける要因の1つといえる。田中社長は「ページビューの良くないページがあれば、その要因を当社なりに考え、改善するようにしている」と説明する。また、インスタやXなどで定期的に情報発信することは当然のことだ。

 そして、担当者の電話による誠実・丁寧な対応も離脱率を少なくし、訪問ユーザーを逃さない要因となっている。加藤氏は「せっかくサイトを訪問してくれても、分からないことがあった際にそこで辞めてしまうケースがあるので、気軽に電話で相談に対応している」と話す。

オリジナルカルタ、オリジナルカードのサイト開設が相乗効果に

 そして同社は2021年6月、「オンデマンドカルタ.com」「オンデマンドカード.com」の2つのオリジナルカードゲーム作成サイトを開設。その理由について加藤氏は、「以前から自分でオリジナルのタロットカードやトレカなどを作りたいという声は数多くあった」と話す。ラインアップを増やしたことで、全体的なオリジナルカードの受注が増えるのは当然のことかも知れないが、田中社長は「この相乗効果によりオンデマンドトランプ.comの受注量も、予想以上に伸びたという感がある」と話す。オリジナルカルタとオリジナルカードのサイトは開設わずか2年余りであるが、田中社長は、「オリジナルカードゲームの売上構成は、トランプが半分、そして、フリーカードがすでに3割、カルタが2割にまで伸びている」(田中社長)と、自社サービスながらも、その伸長率に驚いている。コロナ禍での開設であったが、逆に"巣籠もり需要"が受注を後押しした可能性もあるだろう。

 また、同社ではグループ会社の(株)昇文堂(東京都千代田区、田中眞文社長)と協力し、ロットによりオフセット印刷とオンデマンド印刷を使い分けることで、注文数だけでなく、お互いの利益率を高めることにも成功している。「オリジナルカードゲームのプラットフォームとして、少しずつでも認識されつつあるかなということを感じている」(加藤氏)

「ありがとう」の感動を広げるため、小さい要望にも応えていく

 同社のオリジナルカードゲーム作成サイトでは、商品を購入してもらったユーザーにアンケートをお願いし、さらなるサイトの充実を図るため、そこで要望も引き出すようにしているという。その繰り返しが、結果としてユーザーの満足度を高めていくことにつながるからである。加藤氏は「どのような小さな願いでも叶えていきたい」との思いを話す。

 今後の展開として加藤氏は、「当社の田中社長が持っているトレーディングカード型の名刺があるのだが、それをオンデマンドカード.comのテンプレートに加えていきたい。また、トレカの生産者カードも構想している。今後もユニークなオリジナルカードで注目を集め、知名度を上げていきたい」と話す。すでに大枠は出来あがっているようだ。


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田中 社長

 取材の最後、田中社長は次のようなお礼メールのエピソード(要旨)をいただくことができたと紹介。今後も人々に感動を与えるオリジナルカードゲーム作成サイトを構築していきたいと話した。

 「実はあのカルタ、恩師が読み札を自分で考え文章を以前私たちに披露してくれました。いつか写真をつけて本物のカルタを作れたらいいねという話からの今回の流れです。そして、サプライズで恩師への誕生日プレゼントとして先日渡すことができました。箱を開けた瞬間からカルタを抱きしめながら驚きと感動で大号泣の恩師。その姿を見て私たちも号泣という、なんとも優しい温かく幸せな時間を作ることができました。本当に素晴らしいプレゼントをお送りすることができ、ご尽力頂いた御礼をお伝えしたくメールさせて頂きました。本当にありがとうございました。どうぞこれからも私たちのような感動をたくさん作ってください」

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