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ウチダテクノ、新需要創出の場を提供〜垣根を越えた「創注」を実践

 (株)ウチダテクノ(本社/東京都中央区)は、「新しい捉え方を創造する」というコンセプトのもと、省力化提案を通じて顧客に最適な作業環境を実現する多彩な製品群で印刷関連業の「創注」を支援している。この取り組みを体感できる施設として同社は2021年9月、新たなショールーム「UCHIDA VALUE CREATION LAB」を開設した。


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メーカーの異なるデジタル印刷機2台を常設

 「UCHIDA VALUE CREATION LAB」は、従来型の製品展示・紹介を行うショールームと異なり、プリント加工エリアの人とモノと情報のコミュニケーションをつなぐワークオフィスをコンセプトとして開設。コロナ禍での立ち上げとなったが、開設から現在まで、多くの来場者が同施設を活用している。

 来場者を出迎えるエントランスには、全国各地の印刷関連業者が制作した高付加価値印刷製品を展示。従来型のショールームと異なり、同社のユーザーが制作したサンプルだけではなく、同社のユーザー以外の事業者のサンプルも展示されている。ショールームで展示されるサンプルは、自社ユーザーが制作したものが一般的と言えるが、同社では、その枠を超えて、新たな商品開発のヒントとの出会いの場として設置している。

他社メーカーが「創注」の場として活用

 同施設の特徴の1つが、多彩な利用者層だ。ショールーム機能を有する同施設では、製品の見学や検証を目的に顧客企業や導入を検討している企業が来場するケースも多いが、それとは別の企業も積極的に利用しているという。それは、デジタル印刷機などをはじめとする機械メーカーのスタッフだ。同施設には、リコー製や富士フイルムビジネスイノベーション製のデジタル印刷機が常設されている。さらにウチダテクノ製のダイカッターやフォイル&ラミネーターなど多彩な後加工機器が隣接展示されているため、印刷からデジタル加飾、カットまでの付加価値印刷から加工までの仕上げをワンストップで行うことができる。

 このためデジタル印刷機メーカーのスタッフは、自社製品の印刷・加工適正の技術検証を行うだけでなく、自社ユーザーを招待し、商談やデモンストレーションを披露するなど、「創注」を顧客に提案する場として利用しているという。

アイデアを付加することで新たな価値を創出

 自社製品としては、帯掛機「テーピットシリーズ」にインクジェットヘッドを搭載した最新機種で「創注」を提案している。同機は、帯に各種情報を印字ができるので、これまで別途貼り付けていたラベルなどが不要となる。これによりラベルのコストや貼り付け作業を完全に削減することができる。さらに従来の束ねるだけの帯掛けと異なり、商品情報や企業名、二次元バーコードなど多岐にわたる情報を印字できることから、帯自体に新たな価値を付加することもできる。


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テーピットにインクジェットヘッドを搭載

 同社では、単に捨てられる帯ではなく、印字という付加価値で利益を創出するサービスとして顧客に提案している。従来業務にアイデアを付加することで新たな商品価値を生み出す事例と言える。


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帯に情報印字することで付加価値創出


顧客にとって最適な自動化システムを検証・提案

 労働人口の減少を起因とする少人化への対応としてロボットアームを活用した属人化からの脱却は、印刷業界だけでなく、すべての産業界の喫緊の課題となっている。そこで同施設では、フィーダーと帯掛機にロボットアームとベルトコンベアーをインライン接続した紙送から帯掛け、パレタイズまでを自動化するシステムを構築し、展示している。展示されているシステムは、あくまでもロボットアームを活用した自動化システムの参考モデルで、同社では、顧客の課題解決に沿ったシステムの開発・構築を実践している。


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ロボットアームを活用した自動化も提案

 システム構築にあたっては、同社は、自社製品だけでなく、他社メーカーの製品も積極的に活用していく方針だ。また、既設の設備で対応できる場合には有効活用することで、負担のない設備投資を顧客に提案していくことを心がけている。そして、その技術検証の場として、今後も同施設を活用していくとともに、オープンイノベーションラボとして、印刷業界全体の「創注」を支援していく。

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