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ミリアド、新たな視点で新規受注創出を提案

顧客の課題解決に活路〜キュリアで「創注」を支援

 アフターコロナを迎えた現在、既存ビジネスのほか新たな受注の創出、つまり「創注」が印刷会社の成長のカギとなる。しかし「創注」による新規受注獲得は、新たな知識の習得や新たな設備の導入などが必要と考え、なかなか踏み出せない印刷会社も少なくない。そのような印刷会社の「創注」への取り組みを(株)ミリアド(樋口清政代表取締役CEO)は、スマホコンテンツ制作システム「キュリア」で後押ししている。

 キュリアとは、スマホサイトやキャンペーンコンテンツ(ガチャやスクラッチなど)を「誰でも」「最短1分で」「制作上限なし」でフルカスタマイズして作成できるサービス。配信もデザインQRやNFCシールなど利用者にダウンロードの手間をかけない方法で行うことができる。印刷機などの生産設備のような大掛かりな投資コストの必要はなく、また、Webコンテンツ制作など、これまで多くの印刷会社が苦手としてきた領域に対し、専門知識不要で参入できることから、現在までに300社を超える企業で採用されている。

課題解決提案で疎遠顧客と3年ぶりに取引再開

 モリプリント(株)(愛知県一宮市)は、疎遠顧客であったラーメン店「麺屋えいじ」との取引再開にキュリアを活用し、新たな受注獲得につなげている。

 モリプリントはキュリアの提案以前、名刺や伝票印刷などを「麺屋えいじ」から受注していた。しかし、競合他社との相見積もりやコロナ禍を背景に約3年にわたり疎遠となっていた。休眠顧客の掘り起こしを展開していたモリプリントでは、以前受注していた名刺や伝票の再受注ではなく、顧客が抱える課題を把握することを念頭に商談を実践。その結果、集客促進の手法を模索していたことが確認できた。


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モリプリントの事例

 「麺屋えいじ」では、これまで折込チラシなどで集客促進を図ってきたが、バラ撒き型の折込チラシでは、その効果が把握できず費用対効果について疑問を抱いていた。そこでモリプリントでは、「麺屋えいじ」に対し、他社事例を参考にキュリアの機能を活用したLP&ガチャによる集客促進の提案を行い、わずか1週間という短い期間で新規受注獲得を実現している。

 新規受注したのは、集客促進を目的とした販促チラシ5,000枚。チラシには、ラーメンや餃子など各種無料チケットが当たるガチャサイトに移行するQRコードを印刷した。折込やポスティングによって配布した結果、約300名の来店者がガチャに参加したという。

 「麺屋えいじ」では、効果測定が可能となったことを高く評価。さらに、たまたま「麺屋えいじ」で食事をしていた来店者から「ぜひ、うちの店でも採用したい」という要望があり、新たな顧客・受注の獲得にもつながったという。

 モリプリントでは、この成功体験をもとに他の飲食店の顧客への水平展開を行い、チラシだけではなくDMなどの印刷物にキュリアのガチャ機能を活用した「創注」を実現している。

 この「麺屋えいじ」の事例は、他社事例を参考に提案・採用されたものだが、単に模倣するのではなく、顧客の課題を把握し、その解決策を提案していることが受注獲得の最大のポイントである。その結果、集客促進に貢献し、さらに効果測定などを「見える化」して提示するなどの新サービスの提供で顧客からの信頼も獲得できるようになった。

アンケートフォーム機能の応用で「創注」実現

 (株)コーセイカン(岡山県倉敷市)は、キュリアのアンケートフォーム機能を応用し、まったく新しい切り口で「創注」を実践している。

 この新サービスは、コーセイカンとその顧客との会話の中で、2022年4月から施行される道路交通法施行規則の改正への対応についての相談がきっかけとなって生まれたものだという。


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コーセイカンの事例

 2022年4月から改正道路交通法施行規則が順次施行され、業務上の飲酒運転を防ぐための法律が強化された。これまで物品や人を運搬する緑ナンバーの車両をもつ企業が対象であったが、施行後は、営業用の社用車も対象となる。

 一見すると印刷会社への相談ではないように感じるが、コーセイカン自体も営業用の社用車を複数台有しており他人事ではない。さらに同様の問題を抱えている企業は、他にも多く存在するはず。そこでコーセイカンでは、この潜在ニーズが、新たなビジネスチャンスにつながると確信し、その対応策の検討に入った。コーセイカンでは当初、自社運用としてエクセルや紙への記入による管理を考えていたが、紙に記載された情報をエクセルに入力する作業は、二度手間の感がある。そこでキュリアのアンケートフォーム機能に着目し、開発を進めていった。そして完成したのがアルコールチェック記録ツール「アルチェック」だ。

 この「アルチェック」は、キュリアのアンケートフォーム機能を応用し、乗車前と乗車後にQRコードを読み込むと、アルコールチェックシート画面に移行。利用者は、必要事項を入力するだけで作業が完了。入力された情報は、自動集計され、1ヵ月分をエクセルデータとして提供される。これにより紙への記入とそのデータ入力作業が一度にまとめることができ、さらに紙文書の保管の必要もなくなる。導入企業からは、非接触で紙の保管の不要で、かつ集計作業の負担もないことから高い評価を得ているという。

 コーセイカンでは、キュリアを活用した独自のサービスを他にも展開しているが、その多くが紙と融合したサービスとなっている。今回の事例では、道路交通法施行規則の改正という課題に対し、迅速に新たなサービスの開発で対応したものである。加えてキュリアの機能を活用することで印刷物以外のサービス提供だけでなく、潜在需要の発見・獲得につなげていることも大きなポイントとなっている。

 今回の2つの事例で共通しているのは、顧客の課題を聞き出すことに重点を置き、印刷物などの受注は、あくまでもその解決策の延長にあることだ。ミリアドでは、今後もキュリアを通じて、印刷会社が実践できる「創注」による顧客の課題解決提案を支援していく方針だ。

※QRコードはデンソーウェーブの登録商標です。

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