印刷通販スマートプリント、アキバにリアル店舗オープン
通販との連携で顧客支援 〜 各種相談、サンプル展示で安心感を提供
JR秋葉原駅から徒歩8分。印刷通販スマートプリントは7月1日、リアル店舗「プリント工房スマートプリント」(東京都千代田区外神田5-6-3 殿塚ビル1F、田中政彦店長)をオープンした。店舗では、通販サイトでは分かりにくいといった各種相談に丁寧に対応するほか、サンプルを展示しているため、仕上がり具合を確認できる。運営会社であるクロスフィールド(株)(本社/東京都千代田区神田紺屋町13山東ビル1F、有定静子社長)の有定德二取締役は、「通販サイトは相手の顔が見えないため、新規ユーザーにとっては不安もある。リアル店舗のオープンにより、サイトに透明性を持たせ、安心して発注できる通販サイトを目指していく」としており、通販と店舗との連携で差別化を図っていく考えだ。
印刷通販スマートプリントは2016年に開設。名刺やチラシ、カタログなどの商業印刷物全般をはじめ、大判ポスターやのぼり、包装紙印刷など、幅広い商品を取り扱う。合紙・お試し印刷など、充実したオプションを特長としており、ユーザーからは簡単に注文できるユーザビリティー、すぐにつながる電話サポートなども評価されている。
フライヤー・ポスター印刷を対象にした「100枚合紙」は、100枚ごとに青やオレンジなどの色紙を挟み込んでいるため、手元に届いた際にパッと見ただけでおおよその部数が把握でき、作業効率の向上につながるとユーザーからも好評のサービス。また、運営会社のクロスフィールドは元々デザインを得意とする会社であるため、「印刷だけでなくデザインも任せていただきたい。チラシや冊子、カタログまで幅広く対応している」と田中店長。さらに同サイトでは「紙質」について丁寧に記載しており、これを見ての問い合わせや注文も多いようだ。
加えて、価格についても「オープン当初は業界最大手の価格設定を意識していた」(有定取締役)ようだが、現在は安さだけを追求するのではなく、サービスで特色を出し、競合サイトとの差別化を図っている。そんな中、今年7月にオープンしたのが、リアル店舗「プリント工房スマートプリント」だ。
顧客とのコミュニケーションの場に
印刷通販でありながら、リアル店舗をオープンした目的について、有定取締役は「より顧客との接点となる間口を広げていきたいと考えた」と話す。印刷通販は顔が見えないため、とくにビギナーの場合は発注方法に戸惑うことも多いという。田中店長は「リアル店舗があるというだけでも、ユーザーにとっては安心の要素になる。通販サイトだけでは分かりにくい不安を解消し、安心して発注していただけるサイトを目指したい」と話す。
「リアル店舗を持っている印刷通販サイトはほとんどない。店舗と通販の連携による相乗効果を持たせたサービスで顧客にメリットを提供していくとともに、リアル店舗については何でも気軽に相談できるコミュニケーションの場ともしていきたい」(有定取締役)
実際、店舗ののぼりやオープンキャンペーンのDMなどを見て、毎日何人かは印刷の注文や相談に訪れるという。田中店長は「今後も魅力的なキャンペーンを実施していき、店舗への来客数を増やしていきたい」と話している。
色こより綴じ、きらめき箔の商品を追加予定
クロスフィールドのグループ企業・(株)国府印刷社(本社/福井県越前市、有定耕平社長)では、水引(和紙のこより)の伝統技術で開発された人と環境に優しい製本「色こより綴じ」や、デジタル加飾機を活用し、自由度の高いメタリック表現でデザインの魅力を最大限に引き出せる「きらめき箔」などの独自サービスを展開している。
印刷通販スマートプリントでは、国府印刷社とも連携し、「色こより綴じ」と「きらめき箔」のサービスを商品ラインアップに加える準備を進めている。実現すれば、印刷通販サービスとして大きな特長を出すことができ、差別化につながることは間違いない。
「会社は人であるので、今後も個性を出しながら差別化を図り、ユーザーとのWinWinの関係を構築していきたい。また、印刷通販の初心者にとっても、さらに分かりやすいサイトにしていきたい」(有定取締役)
将来的には、総合印刷通販サービス「印刷通販スマートプリント」の1アイテムではなく、「色こより綴じ」、「きらめき箔」の独立した専門サイトを立ち上げることを目指しているということだ。それに先立ち、国府印刷社では10月5日から開催される「プレミアム・インセンティブショー」に出展し、これらの製品に加えて紙製のエコファイルも出展する予定で、今後の展開に注目したい。
