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厚紙印刷専門通販サービス「Imprenta」、本機校正→本生産を実現

厚紙印刷を高品質&低価格で提供

 業界初の印刷会社向け厚紙印刷専門通販サービスが誕生した。「ハコプレ」や「ポップレ」、「ハコプレ紙袋」など、主に小ロットパッケージの通販サイトを運営する(株)共進ペイパー&パッケージ(本社/神戸市中央区、鍛治川和広社長)が開設し、9月1日より本格的にサービスを開始している。名称はスペイン語で印刷を意味する「Imprenta(インプレンタ)」。今年1月に導入したスピードマスターXL106を活用し、薄紙印刷会社が外注している厚紙の仕事を少ロット〜大ロットまで、高品質かつ薄紙同等の低価格で提供する。外注費を削減する画期的なサービスとして注目を集めそうだ。


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https://imprenta.jp


薄紙印刷会社の外注費削減に貢献

 薄紙をメインとする印刷会社でも、毎月2〜3件、厚紙の印刷物を受注していることは珍しくない。この場合、薄紙の印刷会社は厚紙を得意とする印刷会社に外注する訳だが、パッケージではUV印刷機の使用や、特色により段取り時間がかかるため、薄紙と比べて1.5〜2倍の外注費がかかってしまう。これを、スピードマスターXL106を活用し、さらに通販サービスにより高品質&低価格で提供することを目的に開設したのが「Imprenta」だ。

 スピードマスターXL106は、版替えから洗浄、版調整までフルオートで行うため、これまでの印刷機の「何台分」もの生産性を実現する。これは大袈裟な話ではなく、1時間に24ジョブの切り替えを実現する高効率性と、最大1万8,000シート/時を印刷する高生産性、そして、それらがAIにて完全にコントロールされることで属人的なミスを排除することで高品質な本機校正と本生産を実現している。実際、鍛治川社長は「印刷機の台数を減らしてXL106を導入したが、生産性は向上した」とコメントしている。

 さらに、XL106にはインラインの分光光度計に加えて、後付けで5月に導入したイメージコントロール3がある。これにより、より厳密に色濃度をコントロールでき、薄紙から厚紙まで、さらに安定した品質で印刷が可能になっている。「4色固定、もしくは7色のマルチカラーを特色の色替えをしなくても、パッケージ生産が可能になった」と話す。

 このほか、XL106は他ジョブを印刷しながら使用していない胴の洗浄、次のジョブの準備が可能なため、特色印刷についても圧倒的な段取り替え時間の短縮を図ることができ、特色を使用する高付加価値印刷であってもコストを抑制しての印刷が可能になる。

 鍛治川社長は「本来はプロダクトアウト型のビジネスはあまり好きではないのだが、XL106に関しては別である。この印刷機の機能を最大限に発揮できるビジネスを展開していく」。それだけXL106の機能に自信を持っている証明と言えるだろう。

目的に合わせて3種類のサービスから選択

 「Imprenta」は、「校正のみ」、「校正+印刷」、「印刷のみ」の3種類からサービスを選択できるのも特徴のひとつ。本機校正では、XL106の高効率な段取り替え機能により、最短1営業日の対応が可能。さらに平台校正機では実現できなかった、校正と本番印刷の機械差によるブレ要素を排除し、AIコントロールされた色域での校正を実現できる。

 「平台校正機で校正出力する場合、版と網点という同一のテクノロジーとはいえ、やはり実際に本生産する印刷機ではないため、現場で色調整や立ち合いが行われるなど無駄が発生することは少なくない。本機校正により、そのような無駄も排除できる」(鍛治川社長)

 さらに価格についても、B1サイズの4色印刷本機校正を2万円台/回で行える。印刷も最小ロット2万円台で行うことが可能だ。印刷では、同じ印刷機を使用することに加えて、AIによる数値管理により、⊿e2以内を約束している。

 また、煩雑な印刷予定設計に対応した高いユーザーインターフェイスも強みとしている。独自のUIによりスケジューリング、変更が容易であるほか、進行中でも直前のスケジュール変更が可能、また、紙種類は40種類から、最適なサイズの用紙を選択できる。

早くもユーザーから多くの喜びの声

 「Imprenta」を活用した印刷会社からは、早くも多くの喜びの声が届いている。Imprentaは9月1日の本格的なサービス開始に先立ち、一部のクライアントにプレオープンしていたが、その声の一部を紹介する。

 「商業印刷会社ですが、お客様から厚紙印刷のお引き合いを受けることがあり、いつもお断りしていました。Imprentaは基準値印刷の安心感と、Webで手軽に発注できる利便性がとても有り難く、これからも使わせていただきます!」、「30台もの色校正を短納期で対応しなければならない時があり、いつも業者様に無理を頼み、平台で対応していました。Imprentaはオフセット本機で、しかも平台校正よりも安価で対応していただき、正直驚きました!」、「B1サイズカラー4Cの本機校正が2万円台なんて信じられません!今後はすべてこちらに依頼します」、「印刷ブローカーをしていますが、急ぎの印刷で外注先とのスケジュール調整に困ることが多かったのですが、Imprentaではスケジュール調整が画面でできるので業務効率も良いし、ストレスもなくなりました」、「小ロットの印刷は社内の生産部も嫌がるので社内調整が面倒でしたが、Imprentaは安いうえにスケジュール調整も外注先への配送手配も簡単で、今後小ロットはこちらにお任せすることにします」。

100年企業、100億円企業を目指して

 1948年、神戸市須磨区の地にて「鍛治川商店」として創設した同社のビジョンは「パッケージでハピネスを生み出す」こと。より良いパッケージを考え、生み出すことを通じて顧客の商品価値と想いを正しく「届ける」ことで社会に貢献してきた。また、既成概念にとらわれることなく、パッケージの可能性を信じ、顧客の未来を変えるほどの「新しい」を生み出していくことをモットーにしている。

 「ハコプレ」など既存の通販サービスはコロナ禍でも堅調に推移しているようで、鍛治川社長は「売上は前年比120〜130%で伸びている」。薄紙印刷会社の外注費削減に貢献する「Imprenta」にも大きく期待しており、将来的にはG段ダイレクト印刷にも対応させ、数年で5億円の売上を目指す。

 来年は創業75周年。今年4月に新社長に就任した鍛治川社長は「100年企業を目指し、身を引き締めていきたい。売上についても100億円企業を目指す」。歴史ある共進ペイパー&パッケージグループの次代を任された重責を感じながらも、創業者の"飽くなき挑戦"のスピリットを継承していく。

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