オリジナル便箋工房、制作実績累計500万冊突破
安心と信頼でリピーター顧客が定着
天糊製本を得意とする富塚製本(株)(本社/大阪市生野区、富塚宗寛社長)が運営する「オリジナル便箋工房」は、一筆箋・便箋の専門サイト。一見して分かるすっきりとしたデザインは「分かりやすい」とユーザーからも好評で、通販サイトに慣れていないビギナーからの注文も多い。そして特筆すべきは、そのほとんどがリピーターになっているということだ。「原材料価格の高騰にともない、弊社サイトもやむを得ず、今夏から価格を15〜20%値上げした。それにも関わらず、既存顧客は当社を選び続けてくれている」(富塚社長)。制作実績は累計500万冊を突破し、オリジナル便箋の専門サイトとしてナンバーワンのポジションを確立している。
「分かりやすさ」と「品質」で差別化
同サイトの開設は約8年前。現在の年間受注は2,000〜3,000冊ほどで、まだまだ閑散期を埋めるまでには至っていないようだが、インターネットを使った通販であるため、従来の仕事では考えられなかった全国エリアから受注を獲得している。このうち、首都圏からの受注が7割を占めるという。
同サイトを訪問して一番に感じるのは、すっきりとしたデザインに仕上がっており、非常に「分かりやすい」ということだ。このため、印刷通販に慣れていないビギナーでもストレスなく操作することが可能だ。そしてこれが個人の企業やデザイナーから広く受け入れられ、リピーターとして定着している理由の1つとなっていることは間違いない。また、価格についても「リピート仕事の場合はデータ処理量がかからないため、さらに安くできる」(富塚社長)ことも原因の1つと言えるだろう。
そして、気になる品質についてだが、まず、印刷方法は部数によってPODとオフセット印刷機を使い分けており、「過去にオンデマンド印刷とオフセット印刷の色味の違いから、クレームになったことがあった」(富塚社長)ことから、印刷方法については、事前にユーザーに分かるように伝えているという。
さらに、「有償にはなるが、ご希望のユーザーには、本紙本機色校正で実際に色見や質感を確認していただくケースも少なくない」(富塚社長)ため、通販であっても安心して発注することができる。
入稿データは、データチェック後に校正をPDFにて送付。また、印刷後の便箋巻きなどの後加工は元々の得意分野であるため、クレームはこれまでに一度もない。富塚社長は「一度注文をいただいたユーザーのほとんどはリピート顧客になってくれている」と品質に自信を示す。
なお、支払い方法については今のところ、銀行振り込みのみとなっており、入金確認後に「注文確定」となる。
一番人気は一筆箋。すぐに欲しいユーザーには「名入れ便箋」を推奨
同社では「オリジナル便箋工房」を開設する以前から、同人誌関係の製本を数多く手掛けてきた。その関係から、「昨今はコミケや同人イベントなどで安価にキャラクターをアピールできるツールとして『オリジナル便箋工房』を活用するユーザーが増えている」(富塚社長)という。その中でも、一番人気となっているのが「一筆箋」だ。富塚社長は、「受注の8割は一筆箋。一筆箋は幅広い用途に使うことができ、ちょっとしたひと言を書くのに便利なツール。販促品やお土産、記念品などに活用してもらいたい」と一筆箋の魅力について語る。
一方、社名を入れるだけで良いというユーザーに推奨しているのが「名入れ便箋」である。サイズはA4、B5、一筆箋やその他のサイズもあるが、名入れ便箋についてはA4サイズが人気だという。
「すぐに欲しい、簡単に名入れだけしたいというユーザーにお勧めの商品。完全オリジナルの便箋よりも、低価格・短納期で制作できる」(富塚社長)
紙の素材と1冊あたりの枚数は決まっているが、名入れ部分や罫線などは数パターンの選択肢から自由にカスタマイズできるため、十分にオリジナリティーのある便箋を作ることができる。
オリジナルメモ帳をプレゼントするキャンペーンを実施中
同サイトでは昨年末より、同サイトを選んでくれたユーザーに感謝の気持ちを込め、様々なキャンペーン企画を実施している。このキャンペーン企画は、次代を担う子息でもある常務取締役の康憲氏の発案として、企画から実行までを担当している。
昨年末から今年1月までは、「オリジナル卓上カレンダー」をプレゼントするキャンペーンを実施したが、これが大変好評だったようで、現在は大・中・小の3サイズの「オリジナルメモ帳(無地)」をプレゼントするキャンペーンを実施している。
富塚常務は、「在庫がなくならない限り、注文してくれた全ユーザーにプレゼントしている。今後はもっとユーザーに喜んでもらえる魅力的なキャンペーンを企画していきたい」と話す。

今後の展開について富塚社長は、「さらに分かりやすい通販サイトを目指すとともに、将来的には様々な形状の一筆箋を制作していくことを模索してきたい」と話す。ユーザビリティの高さと品質、そして豊富な商品アイテムで競合サイトとの差別化を図っていくとともに、様々な用途に適応できるサイトを目指していくという。同社はこれにより印刷業界だけでなく、あらゆる業界に製本技術の魅力を伝えていく考えである。
