シンク・ラボラトリー、ブランドオーナーも認める印刷品質を「FXIJ」で実現
潜在需要の開拓を支援〜水性インクジェットで次世代軟包装印刷を提案
自社内に軟包装パッケージ印刷のビジネスモデル工場を開設
「FXIJ BMF(Business Model Factory)」は、700平米のスペースに2台の「FXIJ」(1,000mm幅、500mm幅)の水性インクジェットプリンターとノンソルラミネーター2台をはじめ、スリッター、巻返検査装置、三方シール自動製袋機、熱風シュリンク装置などの後加工機器を設置した本格的な水性、溶剤レスの軟包装パッケージ製造工場。デザイン部門も併設しており、印刷データを制作して印刷することにも対応している。

同工場では、ラミネートパッケージやシュリンクラベルなど多種多様な軟包装パッケージの印刷から後加工までの一貫生産をワンストップで対応している。
また、デジタル印刷機の強みを生かした多面付けによる複数ジョブを掛け合わせたワンパス印刷による高効率生産や、切れ目のない連続印刷、さらには同一デザイン内での色変更やナンバリング、QRコードなどバリアブル印刷機能を生かし、多品種小ロット対応だけでなく、軟包装パッケージの高付加価値化を自社実践で提案している。
同社の重田社長は、「ロールtoロールによるエンドレス印刷が可能なので、長尺タイプのパッケージなども生産することもできる。さらにバリアブル印刷などを融合することで他にはない差別化パッケージとして提案できる」と、軟包装パッケージ印刷におけるFXIJの優位性について説明する。
近年では「脱プラ」を背景に、日本製紙との連携による紙パッケージの生産にも取り組んでいる。さらに新たな市場領域への進出として、壁紙印刷などのインテリア商材も水性インクジェットで印刷し、提案を行っている。
現在では、テスト検証やサンプル制作といった用途とは別に、ブランドオーナーからの要望があれば、実製品としての小ロット軟包装パッケージ生産も行っている。
「印刷データをPDFに変換して印刷するだけなので、刷版などの工程を完全に排除でき、さらにデジタル印刷機の強みを生かし、校正刷りから本印刷までを柔軟かつタイムリーに対応できる」(重田社長)
また、「FXIJ BMF」では、リモート対応もしているので遠隔地からでも印刷データ送信するだけでテスト検証を行うことも可能だ。
さらにFXIJでは、軟包装グラビア印刷特有の高い白濃度レベルをインクジェットで再現するため、白ヘッドの解像度を下げた独自方式の特許が成立した。想定では、他社のデジタル機に対してインク使用量が1/2以下となり、ランニングコストを大幅に削減できる。
さらなる環境対応へ〜水性インクの生産も開始
開発当初は、花王製の水性インクを使用していたが、「FXIJ」の印刷品質や後加工適性などのさらなる向上を図るため、同社では、水性インクの自社開発にも着手。2022年3月には、水性インク製造工場を建設し、本格的な自社生産を開始している。同工場は、1,000t/年の製造能力を有し、さらに天井部にはソーラーパネルを設置し、太陽光発電を利用したエコ稼働を実践している。
さらに同社では、この水性インクの技術をグラビア印刷用途に水平展開し、VOCレス水性グラビア印刷への取り組みも行っている。この取り組みが実現することで、グラビア印刷業界全体の環境負荷低減にも寄与することができる。
現在もさらなる機能性の強化に向け、開発継続中であるが、すでにFXIJによって生産された軟包装パッケージは、市場に提供されている。同社では、今後も「FXIJ BMF」を通じて、環境に優しく、安心・安全で、作業負荷を大幅に削減する次世代の軟包装パッケージビジネスを提案していく方針だ。
