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チャレンジファイブ|フィルム専門印刷通販「プリプラ」、オフセットで低価格実現

バイオマス素材でSDGsにも対応

 (株)チャレンジファイブ(本社/大阪市西成区、芝原憲司社長)が運営するフィルム専門印刷通販「プリプラ」は、手提げ袋・フィルム封筒に簡単にオリジナル印刷が行える。独自開発技術により、グラビアではなく既製フィルム封筒をオフセット印刷に通して印刷しているため、小ロットでも低価格な商品提供が可能だ。バイオマス素材の配合により、環境にやさしいSDGs対応製品もラインアップしている。今年7月には、環境負荷低減のための「2030年環境中長期目標」を策定しており、SDGsへの貢献に向け、サステナビリティな経営を推進していく考えだ。

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オフセットで印刷したフィルム封筒を手に(左から2番目が芝原専務)


 環境問題から社会全体で「脱プラ」を意識した取り組みが広がっている。プラスチック製品を出来る限り使わず、他の素材に置きかえる動きも見られるのは周知のとおりだ。

 このような社会情勢について、芝原慶太専務取締役は「プラスチックは本当に環境に良くないのだろうか。プラスチック生産に使われる原油はわずか3%であり、食品分野や医療分野では衛生的な観点からプラスチック素材は欠かせない。例えば、紙は環境に良い、フィルムは良くないと言われるが、一面的な捉え方で良し悪しを評価するのではなく、製造から廃棄までのトータルでのLCA(ライフサイクルアセスメント)の考え方が重要であり、フィルムを悪くいう人がいるが、これは現代社会を無視する偏った考え方である」と熱く語る。フィルム封筒専門メーカーの責任として、厳しい社会情勢に対して真摯に取り組む姿勢に芝原専務の思いには熱いものがある。

 同社の設立は1988年。郵便法の改正により(株)ショーエイコーポレーションからメール部門が独立分社したのが始まりだ。「フィルムパッケージも封筒として利用できるようになり、これはチャンスだと感じた。当社持ち前の製袋技術を生かしてフィルム封筒を開発した。とくに多品種・小ロットのオーダーメイドの需要は大きいと当時から感じていた」(芝原専務)
 
 そして、小ロットに対応するフィルム開発に向けての同社の努力が始まった。

 「グラビア印刷でフィルムの小ロットフルカラー印刷をしていたのでは、高額になりすぎて商売にならない。そのため、オフセット印刷機に通せるフィルム封筒の研究開発を開始したが、静電気の問題、色が乗らない、乾燥しない、裏移りするなど課題は多かった」(芝原専務)

 その後、紙の印刷と同じようにオフセット印刷機にかけることができるフィルム封筒を開発。また、「この乾燥機の部分が、重大な役目を担っている」(芝原専務)という印刷後のフィルムを瞬間的に乾燥させるインライン設備の開発に成功した。

 同社はこの独自技術の開発により、グラビア印刷の場合、4色カラーであれば、1,000枚で数十万円もするフィルム封筒の印刷を、5〜6万円程度の予算でできるようになった。そして、これを既製品化するブランド戦略に乗り出した。

広告宣伝効果抜群の新ブランド「アドプロバッグ」を提供

 フィルム封筒・手提げ袋に会社ロゴやブランド、キャラクターなどのオリジナル印刷を高品質・低価格で行えるブランドとして、2020年に「アドプロバッグ」の商品名を展開している。コンセプトとしては、マーケティング広告といった広義で、プロフェッショナルにプロデュースしていくことを目的としている。

 そして同社は今年5月、これを印刷通販で提供できるフィルム専門の印刷通販「プリプラ」を開設した。芝原専務は「来年以降、コロナ禍で延期になっていた展示会や企業、店舗などの周年行事の開催を予定しているところが多いようで、その引き合いがすごい」としており、コロナ禍の真っ最中に新サイトを開設したのは、それを見越してのことであったようだ。
 
 「1件1件の問い合わせに社員が対応するより、プリプラでは、お客様が自身でサイズや数量などの注文内容を入力するだけで、見積りや納期が自動的に出てくる。さらに、データ入稿から決済まで実施できる。結果、社員の負担も軽減されるため、その分、価格で還元できるようになっている。既存顧客も含め、新規開拓として、今後は『プリプラ』の活用を推奨していく」(芝原専務)

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手提げ袋・フィルム封筒にオリジナル印刷が可能


 同社は今年7月、環境負荷低減のための「2030年環境中長期目標」を策定。持続可能な社会の実現に向けてバイオマス度30%フィルム商品をリリースした。

 この中で同社は、責任ある調達目標として、2030年までに商品に使用するフィルムの100%を持続可能なバイオマスマーク認定商品を調達することを目指すとともに、責任ある開発目標として、2030年までに石油由来原料削減を目指し、商品に使用するフィルム原料の使用量全体として、バイオマス原料50%以上を目指すとしている。

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バイオマス素材を配合したフィルム封筒


 環境に配慮したSDGs対応商品シリーズ「エココロ」は、植物由来原料(サトウキビ)を使用した環境配慮製品で、現在のラインアップとしてはバイオマス度30%のecoフィルム封筒(材質:低密度ポリエチレン A4、角2)、バイオマス度10%のecoフィルム封筒(材質:OPP 長3、A5、B5、角3、A4、角2)、eco手提げ袋(材質:OPP A4)などがある。

 芝原専務は「SDGsに対応した環境にやさしい素材を使用しているなら、価格が高くても欲しいという声も多い。今後、バイオマス度の配合率をさらに高めた商品開発に努力していきたい」と話している。

来年から「プリプラ」にオーダーメイドの新機能を追加

 同社の受注の7割以上はオーダーメイド。このため、「プリプラ」でも来年1月末のスタートを目指し、「オーダーメイド見積りシステム」の開発を進めている。

 「オーダーメイドの新機能により、ユーザーの利便性をさらに高めていきたい。今後もフィルムを通して社会貢献していくことが当社の役割だと認識している」(芝原専務)

 環境にやさしい「フィルム封筒」や手提げ袋の「アドプロバッグ」をこれまでにない低価格で提供できる「プリプラ」。イベントの増加とともに、受注は一気に拡大していきそうだ。

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