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荷札工房.com、データ作成から印刷、加工、出荷まで

品質と柔軟対応が強み〜今年9月に栗林製本所から社名変更

 「荷札工房.com」は、今年9月30日に荷札工房.com(株)(本社/大阪市東成区、栗林亮社長)に社名変更した前・栗林製本所が8年前から運営する荷札専門の通販サイト。データ作成から印刷、加工、出荷までの一貫生産による安定品質と、柔軟なニーズへの対応が長年にわたる人気の秘訣だ。栗林社長は「最近は栗林製本所ですと電話に出ても、荷札工房さんですか?と聞かれることが多くなってきた。そこで個人事業としての栗林製本所を発展的に解消し、通販サイト名で法人化した」と社名変更の経緯を話す。今後は通販事業にさらにウエイトをシフトした経営に乗り出していく。

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「別注オリジナル荷札」が人気の荷札工房.com

 「荷札工房.com(株)」の前身である栗林製本所は昭和35年に創業。当初は伝票を中心とした製本業を生業としており、栗林社長が13年前に27歳の若さで3代目に就任した後、中綴じや無線綴じ機を導入して事業拡大したものの、「荷札」とは無縁の会社だったようだ。中小の印刷・関連企業が専門分野の通販サイトを立ち上げる場合、自社の長年の経験を生かしたものがほとんどであるため、驚きである。

 「荷札の加工工程の一部を下請けで受けていたのだが、その会社が廃業を考えており、一方従業員の雇用は継続してほしいと相談を受け、スモールM&Aにより荷札事業を譲り受けた。荷札加工機は4台あったが、まともに使えるのは1台しかなく、しかもノウハウも持っていない。仕事も聞いていたほどはなく、まさに1からのスタートだったが、これを打開するには通販事業しかないと思い、下請け体質からの脱却も目指して立ち上げた」(栗林社長)

 そして、荷札加工機の設置と合わせ、荷札専門の通販サイト「荷札工房.com」を外部委託ではなく、もともとWebやデザインが好きで得意であったという栗林社長が自ら開発。同通販サイトは、デザインデータの作成から頼めることも特長の1つだが、これも栗林社長が作成しているという。

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最新の荷札加工機の前で栗林社長


全6台の荷札加工機にはすべて「検知機」を搭載

 同社の荷札製造工場では現在、最新のオンデマンド印刷機2台と6台の荷札加工機を設備しており、小ロットかつ高品質なカラー印刷に対応するとともに、「検知機」を搭載した全6台の荷札加工機で製造しているため、安定品質で日産10万枚までの荷札製造に対応している。

 栗林社長は「荷札加工機は『アナログ感』の強い機械で、はじめから検知機が付いている訳ではなく、検知機なしで使用している加工企業も多い。そんな中、当社では全荷札加工機に検知機を搭載し、差別化の1つとしている」(栗林社長)。これにより、荷札加工の経験は浅くても、ユーザーが安心して発注できる体制を構築している。

 そんな、高品質な荷札製造の受付窓口となる「荷札工房.com」のお勧め商品は「カラー荷札」。全9種類をラインアップしているが、それ以上に人気なのは、商品ラインアップには挙げていない「別注オリジナル荷札」で、全受注の4割を占めるという。

 「新たに荷札を作る場合や現在使用中の荷札のリニューアルなど、作りたいものを必要分だけ注文できる。用紙や色数・も自由に選択でき、用途に合わせて注文していただける」(栗林社長)

 注文方法は、サイトから「見積依頼書」をダウンロードし、郵送するだけなので簡単。現物見本などを添付すれば、より簡単に内容を伝えることができる。また、電話での問い合わせも歓迎しており、「競合サイトの中には『問い合わせはメールのみで』というものもあるが、電話対応が可能であり使用用途等をヒアリングしながらこちらからの提案も行い喜ばれている」(栗林社長)。とくに、荷札を通販サイトで初めて注文するユーザーにとっては、安心して注文するための重要なポイントであることは間違いなく、これも同通販サイトが選ばれてきた理由の1つと言えそうだ。

 「また、荷札通販サイトを立ちあげて、北海道から沖縄まで全国のお客様より注文がくるようになり、販路が広がったことに驚いている。非対面の通販事業というイメージがあるが、実際に対面で打ち合わせを行うことも多い。ニッチな商品であるため、どこで作ればよいか分からないお客様にとって相談できやすい体制を整えることでお客様より喜ばれている」(栗林社長)

 同サイトの取り組みは、非対面の通販事業だからといって、すべてをルール化する必要はないことに気付かせてくれる。このような「対面」のような人情味も、人気の1つになっているのかも知れない。

 栗林社長は「一貫生産だけでなく、荷札加工の一工程だけでも歓迎している。荷札を必要とする様々なお客様のニーズに応え、お客様のお役にたてる、そんな荷札通販サイトを目指したい」。社名変更で気持ちも新たに、さらに専門サイトとして競争力を強化していく考えだ。

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