ミヤコシ、顧客ニーズを製品化〜SDGsの目標に技術力で対応
(株)ミヤコシ(本社/千葉県習志野市、宮腰亨社長)は、世界的に気運が高まっているSDGs(持続可能な開発目標)に対し、同社の強みである「モノづくり」の高い技術力を活かして製品開発を推し進めてきた。
今回、SDGsの観点からアフターコロナにおけるユーザービジネスを後押しする同社の最新製品を紹介する。
市場ニーズから生まれた紙ストロー生産機
紙ストロー生産機「STO-001」は、リールスタンド、グルーユニット、フォーミングユニット、カッティングユニットで構成される国産としては初の紙ストロー生産機。リール数は、3巻でストロー内径は、6mmから10mmまで、ストロー長は、120mmから225mmまでの紙ストロー生産が可能なため、一般的なジュース用(6mm径)からタピオカ用(10mm径)まで対応できる。生産性は、150本/分(φ6×200mm生産時)を実現。操作性については、タッチパネル入力式によるワンマンオペレーションが可能となっている。

生産工程としては、リールスタンドから給紙された3巻の紙ストロー素材をグルーユニットで塗工・糊付け、そしてフォーミングユニットで3巻の紙ストロー素材をマンドレル芯金に巻き付けてストローの形状に加工、そして最後にカッティングユニットで、切り分けて紙ストローとして仕上げる。
標準モデルは、3巻リール仕様だが、オプションで5巻まで対応できるほか、要望に応じて様々なカスタマイズにも対応可能。また、紙ストローの耐水時間は約3時間程度(同社の選定資材使用の場合)となっている。
同社は、国内唯一の紙ストロー生産機メーカーとして、メンテナンス体制も構築しており、今後は、世界規模での取り組みが加速しているSDGsにも貢献できる製品として様々な産業向けに販売展開を行っていく。
環境負荷低減を実現する軟包装用水性インクジェット機
水性顔料インクを採用した食品包装印刷に対応する軟包装用フルカラー水性インクジェットプリンター「MJP30AXF」は、従来では困難であった水性インクによるフィルム印刷をインラインのプライマー塗布とコロナ処理、さらに新設計の乾燥システムで実現する。

同機は、優れた小ロット対応力で、フィルムなどの余剰在庫の削減やヤレの低減により環境負荷低減にも寄与する。無版印刷のため、複数の小ロットジョブを面付けすることでノンストップによる連続印刷が可能。また、軟包装で重要なエンドレス印刷を実現しており、これにより途切れのない絵柄とリード線で後加工機を制御することができる。対応する基材幅は790mmで、市場で流通する多くの軟包装アプリケーションをカバーすることができる。具体的には、幅370mmの合掌袋にも対応する。
印刷速度については、印刷幅750mm(30インチ)で分速50mの高速印刷を実現。また、製版、刷版、版交換、インク交換などの作業が一切不要のため、段取り時間を大幅に短縮することが可能。
印刷品質については、1,200×1,200dpiの高解像度最新ヘッドの搭載により、4ポイントでもシャープな文字が印刷できる。色数はCMYK+WWの仕様で、W(白)をダブルで塗布することで高い隠蔽効果を付加することができる。
さらに同機は、内蔵カメラで色間の見当ずれを監視し、自動補正する自動見当機能や、ヘッドの抜けピンを検出し、抜け・スジを目立たなくする自動抜けピン補正機能を搭載しているので、稼働中でも安定した品質管理ができる。
また、オプションのバリアブル印刷機能により、パーソナルプロモーション対応、セキュリティ対応、さらにはトラッキング機能の追加も可能となっている。
