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ニッタ、搬送ベルトの「エンドレス工具」提供

突然のベルト切断時も安心〜10数分で生産ラインの再稼働が可能に

 印刷機や製本機、折り機などの突然の「ベルト切断」。納期対応に追われる中でのこのような緊急事態の経験は、どこの現場でも一度や二度はあるだろう。メーカーにエンドレス作業を依頼した場合、即日対応であっても数時間のロスは免れることはできない。このような中、搬送ベルトのニッタ(株)(本社/大阪市浪速区)は、印刷機用ベルト・製本ライン用ベルト「ポリスプリント・シリーズ」のベルト復旧作業を簡単に行える「エンドレス工具」を提供している。経験不要で誰でも簡単、短時間でエンドレス作業が可能で、早急に現場の生産ライン復旧を実現するものとして、多くのユーザーに使用されている。

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エンドレス作業のイメージ

 印刷機用ベルト・製本ライン用ベルト「ポリスプリント・シリーズ」は、多くの印刷機メーカー・製本機メーカーのラインに組み込まれ、耐摩耗性の高さや搬送精度の高さ、長寿命などで印刷・製本ラインの生産性向上に貢献している。

 印刷機用のベルトとして、耐摩耗性と高い搬送精度、長寿命などを特徴とする各種ベルトをラインアップ。グラビア輪転印刷機の加速部やデリバリー部、オフセット枚葉印刷機の枚葉フィーダー部、オフセット輪転印刷機の折胴部やチョッパー折り部などに使用されている。
 
 また、製本ライン用ベルトとしては、紙搬送に適した摩擦係数、搬送物を傷つけないソフトな表面布、フィンガー継手、寸法安定性などを特徴とする各種ベルトをラインアップしている。中綴じ製本機の丁合部や供給部、突上部、デリバリー部、インフィード部、三方断裁機、スタッカー部、丁合機の垂直搬送部。紙折機のフィード部などに使用されている。

新規設備導入と同時に購入するユーザーも

 エンドレス工具はベルトの種類ごとに用意されており、価格もそれぞれであるが、基本的には20万円程度である。「突然のベルト切断」に備えて購入するユーザーも多いが、多数の印刷・製本機メーカーに組み込まれているため、「昨今では新規設備の導入と同時に購入するユーザーも多い」と同社の担当者。短納期のニーズがますます加速する中、その傾向は当然と言えば当然と言えるだろう。

10数分でエンドレス、現場が復旧

 エンドレス作業に接着剤は不要。温度と圧力により「ホット(加熱)プレス」で接着する。所用時間はわずか10分程度である。メーカーを呼んでエンドレス作業を依頼することを考えると、その時間のロスは説明するまでもない。

 作業手順は至って簡単で、経験不要で誰でもエンドレス作業を行うことができる。このエンドレス工具には、フィンガーパンチャー、フィンガー継手用ホット(加熱)プレス、クーリング(冷却)プレス、プリセッタ、クランプ金具(2個)、専用ケースがセットされているが、エンドレス作業を行う場合、まずベルトの長さを確認した上で、フィンガーパンチャーにより継ぎ手を製作する。この際、注意すべき点はベルトが曲がらないようにベルトを左端に沿わせることのみ。あとはレバーを下ろせば、一発打抜きで簡単・確実にフィンガー継手を製作できる。
 
 次に使うのがプリセッタ。これは、プレスする際にベルトが曲がらないように仮固定するための道具である。このエンドレス工具では、ベルト内の「ウレタン」を熱で溶かすことで接着させるため、プリセッタで固定したら、継ぎ手に隙間ができないように突き合わせるのがポイントである。
 
 クランプ金具でプリセッタの左右を固定したら、次にエンドレス温度を高めておいたホット(加熱)プレスによる加熱に入る。プリセッタ全体に均一に圧力が掛かるように約4分間、奥までしっかりと挟み込む。
 
 時間が経ったら、次はクーリング冷却プレスによる冷却。これも同様にプリセッタ全体に均一に圧力が掛かるように約5分間、奥までしっかりと挟み込む。以上でエンドレス作業は完了する。この間、およそ10数分。生産ラインの再稼働が可能になる。
 
 このエンドレス工具を活用すれば、現場の「働き方改革」が進むことは間違いなく、「ポリスプリント・シリーズ」のすべてのユーザー必携のアイテムと言えるだろう。

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