ピー・エス・シー、データの一元管理で事務作業を省力化[印刷・製本管理システム]
多能工化で生産性向上
印刷・製本業界向けの各種業務管理システムを開発・販売するピー・エス・シー(株)(本社/東京都足立区、原田敏明社長)は、安価なコストで導入可能な印刷業向け業務管理システム「刷衛門(スリエモン)」、ならびに製本業向け業務管理システム「綴之助(トジノスケ)」を提供している。同システムを活用すれば、データの一元管理により事務作業の省力化が可能になり、その時間を多能工化することで工場全体の生産性向上につなげることが可能になる。人との交流、人との接触を極力なくすことが求められる中、働き方改革だけでなく、ウイズコロナ時代に対応するシステムと言えそうだ。
事務作業の省力化は工場全体の生産性向上に
同社は、これまでに延べ150以上のシステムを印刷・製本業界に提供している。特注対応と低価格で差別化を図っており、「他社よりも低廉な価格で提供できていると自負している」と原田社長。そして実際、その価格に魅力を感じて導入するユーザーも多い。
今年1月にシステムを導入したN社は「業務管理システムの多くはオールインワンで機能が揃っており、その中には自社に不要な機能も含まれている。しかし、ピー・エス・シーのシステムはその逆で、最低限の機能に必要な機能を付加していくためムダがまったくない。当初は低価格に魅力を感じて導入したが、実際に運用を行っていくうちに、実務面でもその他の様々なメリットが見えてきた。将来的には財務面も含めたシステムにしてもらいたいと考えている」と話す。
ピー・エス・シーの業務管理システムは、標準システムで、見積りから受発注、販売管理、請求書、指示書発行、売掛管理などの事務作業を一元管理することが可能。また、オプションで「進捗管理」などの生産管理システムも搭載できる。
一元管理することによるメリットについて、昨年にシステムを導入したA社は「全員が情報共有できるため、外注手配のタイミングや、社内の印刷機を押さえる時間など、段取り時間を大幅に短縮できている。システムの導入前、Excelで予定を打ち込んでいた頃と比べると、作業負荷が大幅に軽減された」。また数年前にシステムを導入したF社は、「これまでは繁忙期は朝から夜中まで、営業マンと事務員も手伝いながら受注入力作業に追われていた。しかし、システム導入後は帰社後に営業マン1人で2時間程度の時間で入力できるようになった」とその効果を話す。
原田社長は「印刷業界は業界としてはIT化が進んでいるが、事務作業については部門ごとにファイルメーカーやエクセルなど個別のシステムを使用するなど、合理化されていない会社が意外と多い。これらを一元管理することにより、二次入力、三次入力の無駄を省き、省力化を実現できる」と説明しており、それにより生まれた時間を多能工化することで、工場全体の生産性向上につながることを強調する。
なお、同システムは受注番号、工程番号、機械番号、担当者番号などをバーコード管理することにより、リアルタイムで進捗状況を把握することができ、日報と同じものを作成できるため、日報の作成が不要になる。また、営業先からも見積りの作成が可能なため、シンプルな見積りを営業先で出すことができ、営業活動の大幅な効率化を図ることができる。
IT補助金の資料作成をサポート、原価低減のためのアドバイスも
さらに同社の経営支援事業部では、印刷/製本業界を専門に事業再生・経営をサポートする(株)GIMS(さいたま市)と協力してユーザー企業の経営を支援している。
ユーザー企業の営業や財務面の支援、IT補助金の資料作成などを基本的に「サービス」として行うことで差別化を図り、システム導入につなげていく。
原田社長は「見積りもチェックし、原価を低減するための様々なアドバイスを行いながら、ユーザー企業の経営を全般的にサポートしていく」としており、ITにより経営を「見える化」できるシステムの提供とコンサル事業の両面でユーザー企業の経営を支援していく考えを示している。
