田中紙工「オンデマンドトランプ.com」、オリジナルカルタを追加
1セット・1万円以下の低価格を実現
世界に1つだけのオリジナルトランプを作成できる通販サイト「オンデマンドトランプ.com」は、子供や家族、友人などと撮影した思い出の写真と好きな文章を入れて、世界に1つの「オリジナルカルタ」が作れるサービスをラインアップに追加した。1セット・1万円以下(税込み)の低価格を実現しており、運営する (株)田中紙工(本社/東京都板橋区、田中真文社長)の田中千晶氏は「オリジナルカルタの小ロット・低価格の要望に対応した画期的なサービス」として、オンデマンドトランプに次ぐヒット商品となることに期待している。
「オンデマンドトランプ.com」は、来年でオープン10周年を迎える。現在の受注は、年間7,000セット・売上は800万円にまで伸びており、すでに本体である田中紙工の売上の2%を占めるまでに成長しているようだ。田中社長は次のステップとして「売上2,000万円を目指したい」と話す。
そして、そのための戦略の1つとして今回、新しくラインアップに追加したのが「オリジナルカルタ」と、オンデマンドトランプと同様のサイズで、完全にオリジナルのカードが作成できる「フリーカード」である。
田中氏は、「6月10日にリリースしたばかりの商品だが、6月17日時点でオリジナルカルタは2件、フリーカードは1件の案件を受注している」と説明しており、滑り出しは順調のようだ。今後、毎月500セットの受注を目標にしていくという。
スマホでいつでも自由に編集が可能
「オンデマンドトランプ.com」は、昨年のリニューアルでユーザビリティーを大幅に向上させた。すべてのカードにオリジナルの写真を入れられるようになったほか、スマホからのストレスフリーな編集作業が可能になり、写真を入れる場所などを決めていれば、慣れれば数分でアップデートが可能になる。
「クラウドサービスのため、作成途中でいつでもデータの保存や再編集が可能。専門的なデータ作成スキルも不要である。アプリをダウンロードする必要もないため、スマホのメモリを気にする必要もない」(田中社長)
カルタの場合、文言を考えるなど、トランプよりも制作には時間がかかりそうだが、同サービスを利用すれば、楽しみながらオリジナルカルタの編集作業を行うことができそうだ。
小ロット・低価格のニーズに対応
トレーディングカードなどを得意とする同社には、小ロット・低価格のオリジナルカルタに関する問い合わせはこれまでも多数あったという。しかし、これまでのような完全データ入稿の場合は、入稿データを1枚1枚チェックする必要があり、作業時間を要していたため、価格的に折り合いがつかず、実際の受注に至ることはなかった。
「カルタの箱までもオリジナルのものにすると、1セットで4〜5万円はかかってしまう。このため、価格面のハードルが高く、断念するユーザーも多かった」(田中氏)
そのような中、「カルタもオンデマンドトランプのように、ユーザー側で自由に編集することができるようになれば...」という思いは、従来からもっていたようだ。
「今回、ラインアップに追加した『オリジナルカルタ』は、オンデマンドトランプと同様、ユーザーが自分で編集してオンライン入稿する方法のため、データチェックなどの人件費を抑えることができ、その分、1部からの小ロットで、低価格での商品の提供が可能になった」(田中氏)
濁点、アルファベットで始まるカードも可能
さらに、通常のカルタの読札の場合は「あ」から「ん」までの読札が1枚ずつあるのが普通だが、同社の「オリジナルカルタ」の場合、そこにこだわる必要もない。
「常識に縛られる必要はなく、『あ』で始まるカードが2つあってもいいし、濁点で始まるカードやアルファベットで始まるカードなどがあっても良い。普通のカルタにはない楽しみ方ができるのもオリジナルカルタの特長」(田中社長)
なお、カルタの仕様はサイズが縦9cm×横6.8cm。用紙の厚さは約0.35mm/枚。片面カラー印刷。枚数は読札と絵札が各45枚〜50枚。無地のカルタ箱付きで、1セット・9,350円(税別・送料無料)となり、従来の5分の1程度の価格を実現した。
もちろん、注文数が多くなるほど価格はさらに安くなり、一例を挙げると、10セットであれば1セット・4,180円(同)、100セットであれば1セット・1,760円(同)となる。
「将来的には、オリジナルカルタの『箱』についても、カードと同様にWEB上でオリジナルなデザインのものをオーダーできるようにしていきたい」(田中氏)
なお、8月31日までは初回購入限定で「1,000円割引クーポン」を利用することができる。
スート(♤、♡など)のない「フリーカード」もリリース
同時リリースの「フリーカード」は、オリジナル画像を挿入すれば、名刺やトレーディングカードなど、幅広いデザインのカードを自由に作成できるというもの。スートがないため、スートの大きさや形までもこだわった完全な「オンデマンドトランプ」の作成も可能である。
すでに「タロットカード」としての案件を受注しているようで、田中氏は「自分で考えたオリジナルのテーブルゲームやトレーディングカードなど、作り手のアイデアによって様々なものを作ることができる」とフリーカードの魅力を話す。
「フチなし(全面画像)」と「フチあり」の2種類から選ぶことができ、裏面1枚(共通)、表面54枚に画像を挿入することができる。サイズ等はトランプと同じになる。
今後の展開について田中社長は「カードゲーム全般に活用できるプラットフォームを目指したい」と話す。昨今は「ご当地カルタ」など、企業と地方自治体などがコラボしたカルタも増えているようで、市場としてのカルタの将来性には明るい兆しも見える。カードに特化した通販サイトとして先進的な取り組みを進める「オンデマンドトランプ.com」の今後の展開に注目したい。
