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大同印刷、オリジナル商品を安価に - 厚紙印刷の通販サイト「suttoco」

「あったらいいな」をかなえます

 厚紙印刷において豊富な特殊加工技術と高い生産能力を誇る大同印刷(株)(本社/大阪市鶴見区鶴見4-6-4、岩田耕平社長)は、その強みを小ロット多品種へと展開する完全データ入稿型のオリジナル印刷加工通販サイト「suttoco(すっとこ)」を運営。フラットファイルやメモ帳など、小ロットのオリジナル商品を安価に提供することで、高いリピート率を弾き出している。


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仲野 氏


 大同印刷は、オフセット、フレキソ、パッドなどの各種印刷をはじめ、シールラベル製造、ノート・カレンダー・パッケージなどの紙製品製造、包装・封入・アッセンブリなどの流通加工、自社立体倉庫による在庫管理・出荷対応など、企画から印刷、加工、出荷までをワンストップで展開する総合印刷会社。とくに、複雑な形態の商品に対応可能なL型貼り機や全紙サイズの大型封筒貼り機、紙インデックス見出し補強、ホットメルト製本カバー加工など、豊富な特殊加工技術を誇る「厚紙のスペシャリスト」として知られ、大手の化学メーカーや文房具・事務機器メーカーといった主要顧客のファイルやパッケージ印刷の需要をカバーする「高い生産能力」を特徴とする。

 そんな生産キャパシティを誇る同社にも、小ロット多品種生産に対するクライアントの要請は高まる一方だ。そこで同社は、最大470g/平方メートルの厚紙が通せるデジタル印刷システム「Versafire(バーサファイア)EP」を導入し、既存の仕事に派生する小ロット印刷需要を内製化している。

 オンデマンド印刷事業を担当する企画課の仲野隆昌係長は、「デジタル印刷システムの選択条件は、主力のフラットファイルを通せること。紙厚のスペック上では『通せる』というものでも絵柄によっては擦れで汚れてしまうものも多かった。結局1年以上かけてテスト検証を繰り返し、Versafire EPを導入した」と当時を振り返る。

 一方、同社は以前から自社ホームページの片隅で、オリジナルカレンダーや複写伝票などの受注販売を始めていたが、さらに「Versafire EP」を戦略機と位置付けることで商品アイテム点数の拡充をはかるとともにネット販売の窓口機能の強化に乗り出す。そこで2019年10月に立ち上げたのが印刷ネット通販サイト「suttoco」だ。ちなみに、このネーミングは、「ちょっとこれ刷っとこ」という言葉から「気軽に印刷できる」という意味を込めて名付けられたそうだ。

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https://suttoco.jp
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 「小ロットでもオリジナル印刷。印刷の『あったらいいな』をかなえます」というコンセプトのもと、当初はフラットファイルをはじめ、リングメモやチェーンストア統一伝票、鳥ブロックメモ帳といった商品ラインアップからスタート。そこで強みとなるのが、同社の真骨頂である大手顧客向けの大ロット生産体制である。

 「多彩な加工技術に加え、共通部材を大ロット機で印刷加工し、表紙などのオリジナル要素をデジタル印刷機が担うことで、小ロットでもオリジナル商品を安価に提供することができる」(仲野氏)

 「suttoco」には、個人や一般企業のほか、仲介業者からの発注もあり、カラー印刷にも対応するフラットファイルを中心に高いリピート率を誇る。また、今年1月から2月にかけては、卒業式で配布する学校オリジナルの不織布マスクの注文も多いという。同社では「マスク支給」の発注に対応していることも差別化のポイントになっており、今後もイベント用オリジナル不織布マスクの需要を取り込んでいきたいとしている。

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厚紙による商品開発に注力


 また、「Versafire EP」は、フィルム素材やエンボス系の用紙も通せることから、新たな商品開発にも積極的に乗り出しており、サンプルカッターを活用した組み立て式の帽子やハリセンなど、商業印刷にはない発想で、厚紙による新商品の開発を進めていく考えだ。

 「このサービスは、本来当社が強みとする厚紙大ロット印刷への波及を狙ったマーケティングツールとしても位置付けている。今後もフラットファイルのようなコンスタントに受注できる定番商品の開発に注力していきたい」(仲野氏)

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