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 昨年11月に開催された国際総合印刷テクノロジー&ソリューション展「IGAS2022」では、印刷のDXやスマートファクトリー化を前提とした、より具体的なソリューションが数多く提示された。なかでも、印刷製造工程において人が判断していた要素をAI(人工知能)技術に置き換えて効率化する試みや、省力化、あるいは工程間を繋ぐロボット技術の活用が目立ち、印刷工程において、これら先端テクノロジーが現実のものとして活用される時代の到来を感じた来場者も多かったのではないだろうか。

 もちろん、これらの技術は、これまでも印刷工程で活用されてきた。とくに最近話題の対話型AI「チャットGPT」の登場でより身近な存在になったAI技術は、画像処理やカラーマッチング、印刷機の制御といった機能として、以前から製品ソリューションに組み込まれてきた。労働人口の減少にともなう人手不足が深刻化する中、一方で印刷業界では消費者ニーズの多様化にともなう印刷物の多品種・小ロット化・超短納期対応という大きな流れがある。印刷会社は、その小ロットジョブを「如何に効率良く処理し、コスト競争力を維持しながらニーズに応えていくか」という課題への対応を迫られている。この状況を踏まえ、メーカー・ベンダー各社からは、「印刷工程全体の自動化、省力化を高度なレベルで実現する」、いわゆる印刷工場の「スマートファクトリー化」という将来像が提示され、その実現においてAIやロボット技術を活用したソリューションは今後、その存在感を高めていくことが予想される。

 そこで今回、これら技術を活用したソリューションの一端を紹介し、その運用や効果から新たな技術革新の可能性を探る。

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