IGAS2022レポート(2)
富士フイルム、JetPress750S高速化モデルを公開
富士フイルムは、インクジェットデジタルプレス「JetPress750S」の高速化モデルを国内初公開した。
3,600回転の標準モードに加え、B2インクジェットプレスとしては世界最速となる5,400回転の高速モードを実装。会場では、国内外のJetPress導入顧客サンプルの展示や実例化紹介と合わせて、実機による両モードでのデモを通じて、オフセット印刷の代替が可能な唯一無二のデジタル印刷機として訴求している。
木田鉄工所、ロボットで製函ラインに自動供給
(株)木田鉄工所(木田庄一郎社長)は、自社開発のブランクス・オートローダーと自動供給(投入)ロボットを組み合わせたシステムを参考出品し、抜き工程から製函ラインの自動化と作業効率向上を提案した。
ブランクス・オートローダーは、カートンを多くストック掲載することで、1台1人で行っている給紙作業の効率化を実現するもの。今回のIGASでは、さらに自動供給ロボットを組み合わせ、製函ラインへの自動供給による無人化の可能性を提示している。
ここでポイントになるのは専用パレットの採用だ。通常、抜き工程で段積みされたブランクスには、荷崩れしないように合紙が入れられており、ロボットアームでその山をすくい上げるとロボットの爪がブランクスに接触し、キズや破損の原因になる。
そこで、パレットに円錐状の突起を縦横に整列配置し、その間にロボットアームの爪を入れてすくい上げることで、その問題を解決。パレットの上部にはカメラも設置し、積まれたブランクスのズレなどを読み取ることでロボットによる正確な自動供給を実現している。
同社では今後、今回のシステムに限らず、「投入」や「積載」などの作業におけるロボットアームの活用で省力化を提案していく考え。
富士フイルム、ロボットハンドで「紙捌き」作業
富士フイルムは、人手に依存していた印刷用紙捌き作業の省人化ソリューションとして「印刷用紙ハンドリングロボットシステム」を展示実演した。
印刷準備や後加工準備などで欠かせない「紙捌き」作業は、熟練技術と経験が必要になるだけでなく、用紙サイズが大判になると紙束も重く、重労働になる。このような人手に依存した紙捌き作業の省人化を実現すべく、最新のロボットハンド技術を活用した業界初のハンドリングロボットシステムを提案した。
まず、カッターでワンプ包装紙側面を切り残しなく正確にカット。カットしたワンプ包装紙は専用ゴミ箱へ投入。クズ処理後はロボットハンドで紙束を把持し、その際に用紙の間に風入れを行い、紙積みまでを想定して紙束を移載する。
会場でのデモンストレーションでは、毎回多くの来場者が強い関心を示していた。

