IGAS2022レポート(1)
KOMORI、A全判8色反転機で自動運転披露
小森コーポレーションは、H-UV L(LED)搭載A全判反転機構付8色オフセット枚葉印刷機「リスロンG37Pアドバンス」で自動運転による印刷実演を披露した。
印刷実演では、プレスオートメーションによる自動プリセット、色調や見当を自動調整するオートパイロット、そしてブラン洗浄、版交換、インキ設定を自動で行うパラレルメイクレディなどの自動化機能を駆使し、32ページの冊子印刷を2ジョブ敢行。各500枚の冊子印刷は、ジョブチェンジを含め約6分半で完了した。
刷了後の印刷物は、小型無人フォークリフト「SLIM AGV」によって後加工工程に自動搬送された。
モリサワ、写研書体改刻フォント2024年発売へ
(株)モリサワ(森澤彰彦社長)は、2021年1月に発表した写研書体の開発プロジェクトにおいて、(株)写研(笠原義隆社長)の代表的な書体である「石井明朝 ニュースタイル大がな・オールドスタイル大がな」「石井ゴシック」をOpenTypeフォントとして改刻し、2024年にリリースすることを発表した。
同プロジェクトは、石井書体を保有する写研と、モリサワおよびそのグループ会社である(有)字游工房のタイプデザイナーが参加する、3社共同体制の取り組み。全体監修を務めるのは、写研出身であり現在は字游工房の書体設計士である鳥海修氏。
石井書体とは、写研の創業者である石井茂吉氏が開発した書体。写研が提供してきた写真植字機および専用のシステムを通じて、印刷書体として広く親しまれてきた。今回予定されているOpenTypeフォントの石井明朝ファミリー、石井ゴシックファミリーは、かつての上品で精微な美しさはそのままに、現代のDTPやオンスクリーン環境に最適化したリデザインで、さらに洗練された印象の書体に生まれ変わることになる。
なお、これら写研書体のラインアップは、クラウド型のフォントサービス「Morisawa Fonts」のスタンダードプランで提供される予定。
コダック、PROSPER ULTRAロール紙高速カット
コダックは、インクジェット印刷機「PROSPER ULTRA 520プレス」で事前に印刷されたロール紙を太陽機械製作所製シートカッターで高速カットするデモを披露した。
「PROSPER ULTRA 520プレス」は、第4世代Ultrastreamヘッドを搭載した初のコダック製印刷機。600×1,800dpiの解像度、150メートル/分の生産速度を確保し、あらゆる用紙にオフセットに匹敵する印刷品質を提供(200線相当)。グロスコート紙にも高いインクカバレッジでの印刷を実現する。
45〜250g/平方メートルまでの標準的なオフセット印刷用紙に対応(前処理が必要)し、520ミリの印刷幅で、2アップ両面印刷にも対応。各イメージングステーションは、5つのジェッティングモジュールで構成され、1分あたり2,000ページ以上のA4用紙を印刷できる。
テシコン、色管理ソリューション「MYIRO」
(有)テシコン(千葉県我孫子市、三好民社長)は、分光光度計「スペクトロデンス」をはじめ、グラフィック産業専用の品質管理ツールラインアップを一堂に紹介したほか、昨年販売を開始したカラーマネージメントソリューション「MYIRO」を展示した。
「MYIRO」は、分光測色計「MYIRO-1」に専用ソフトウェアの「MYIROtools BASIC」を組み合わせることで、プリプレスではモニターのICCプロファイルや出力プロファイルの作成、印刷現場では色見台の光源の測定やG7とPSDの評価を行うことができる。また、「MYIROtools QC ADVANCED」では、G7キャリブレーションやQCのカスタム設定が可能(プロファイル作成は不可)となり、さらに「MYIROtools ADVANCED」では、プロファイル作成時の詳細な設定やデバイスリンクプロファイルのカスタム設定も可能となる。
また、自動スキャン分光測色計「MYIRO-9」では、ポジションのマークなしに1,500パッチを4分で測色。測定照明条件M0、M1、M2を同時に測定できる。測定サイズはA3までで厚紙の測定にも対応する。

