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太陽機械製作所、新型凸版輪転ラベル印刷機2機種実演

ラベル業界に新たなイノベーション〜従来のイメージを秀逸

 IGAS2022では、ラベル業界に新風を吹き込むイノベーションが巻き起こった。(株)太陽機械製作所(本社/東京都大田区羽田空港1-8-2、岡倉登社長)は、従来の凸版輪転ラベル印刷機のイメージを秀逸する新型凸版ラベル印刷機2機種を実演。会期中、数回にわたり実施されたデモンストレーションでは、いずれもブースはラベル業界関係者で埋め尽くされ、同製品の関心の高さが窺えた。今回、取材したデモの内容を紙面再現してお伝えする。


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IGAS2022のブースにて越智取締役

ラベル印刷機「TCR-200 Tutti」を実機初公開

 会期中、19回にわたり実施された約12分のデモには続々と来場者が集まり、コロナ禍とは思えない混雑振りを見せていた。

 各回のデモでは、はじめに2021年3月に「夢の次世代ミニマム凸版輪転ラベル印刷機」として登場し、輪転機の高生産性はそのままに、省スペース、低価格をコンセプトにした次世代凸版輪転ラベル印刷機「TCR-200 Tutti(トゥッティ)」を実演した。


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コンパクトサイズの「TCR-200 Tutti」にも注目が集まった

 同製品は発売から1年半以上が経過し、すでに導入したユーザーからは高い評価を得ているため、ある程度の自信を持ってIGASに臨んだようだが、同社取締役の越智政人営業部長は「実機展示が初ということで、当社がこれまでコンタクトを取れていなかった多くのお客様にもご来場いただき、注目の高さを改めて実感できたことや、具体的な引き合い案件も多数頂戴し大きな成果を得ることができた」と出展の手応えを感じている。

 デモンストレーションの冒頭、ナレーターの社員は「従来型の凸版輪転機は大型、高価、段取りに時間がかかる、ロスが多く大ロット向きのようなイメージを持たれていたかと思うが、Tuttiはこれらのイメージすべてを払拭することを開発コンセプトとしている。最大紙幅200ミリ、最高ライン速度毎分100mの印刷機となっている」と、4色機での全長わずか3,800ミリという小型の凸版間欠機に匹敵するミニマムなサイズを強調した。

 そして、各部のドライブをサーボモーターでシンクロ制御することにより、段取り時間の短縮やロス削減にも貢献し、操作についても従来型の凸版輪転機のような、勘に頼る操作は一切なく、すべての操作がスキルレス化、数値化されているという操作性をアピールした上で、オペレーターに運転を合図した。

 まずは25m/分の速度で機械が稼働。給紙部は最大直径500φまでの用紙が装着可能で、用紙はパウダーブレーキによるテンションコントロールとサーボモーター駆動のインフィードロールにより、安定搬送される。

 凸版印刷部の版胴の装着は工具レスで、版胴及び付けロールの両端に装備されたベアラーリングにより完全調整フリーを実現する。異なる版胴サイズに交換しても版胴と付けロールのタッチ調整は一切不要。また、標準装備のイニシャルポジションコントロールにより、用紙を搬送することなく、サイズを入力するだけでそれぞれの版胴が初期見当位置に移動し、わずか1ミリ以内の見当誤差からスタートできる。色間パスを短縮したことにより、従来機と比較し5%近くのロス削減に成功している。また、ラミネートユニットも標準装備されており、オプションの糊面・裏面印刷装置を選択するだけで様々な一般ラベル生産が可能だ。

 ここまで説明したあと、80m/分にスピードアップ。ナレーターの社員は「メインタッチパネルからは印刷機の運転状態をモニターし、天地見当調整はもちろん、各部の詳細設定やアラーム表示などの情報を一目で確認することが可能。これまでの凸版輪転機の概念を覆したのではないでしょうか」と自信を持って問い掛けていた。

 越智営業部長は「とくに全長3,800ミリというコンパクトさと、25m/分の速度から80m/分の速度へ加速した際の見当精度について多数の来場者から驚きのコメントを頂戴している」と反響を語る。

 シール・ラベル業界の印刷機の設備投資は現在、凸版間欠機が主流となっている。凸版間欠機は小ロットを得意としながらも、時間をかければ大ロットもこなせるオールマイティな印刷機であるが、実際に大ロットを生産するとなると相応の時間を要することで他の仕事ができなくなり、せっかくの機会を逃すことも考えられる。

 「その点、Tuttiは凸版間欠機で生産している極々小ロットは無理としても、従来型の凸版輪転ラベル印刷機で諦めていた小ロットはある程度、そつなくこなすことが可能である。実機をご覧いただいた来場者の皆様には、そこのところも感じていただけたのではないだろうか」(越智営業部長)

 なお、「Tutti」は東京本社と山形工場で常設展示しており、実際に自身の手で操作することも可能となっている。

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