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after drupa 2024|Koenig & Bauer、パッケージとデジタルソリューションに焦点

ネットワーク化された生産環境の未来像提示〜新次元のパフォーマンス公開

 ドイツの世界的な印刷機メーカー・Koenig & Bauerは、drupa2024において、他に類を見ない幅広い製品ポートフォリオの中から、パッケージとデジタルソリューションにフォーカスし、ネットワーク化された生産環境の未来像を提示した。会期中、数回にわたって開催された「VIP SHOW」では、デジタル化担当副社長のサンドラ・ワグナー氏とCDOのラルフ・サメック氏によるライブ・ショー「コネクテッド・パッケージング」が開催され、ブースを埋め尽くすほど多くの来場者で賑わった。


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ブースを来場者で埋め尽くしたライブ・ショー


 同社はdrupa2024において、4,000平米を超える出展規模でその技術力と革新性を見せつけた。drupa2024の同社ブースでは国内・世界市場で最も成長が見込めるパッケージとデジタルソリューションにフォーカスした構成としていたが、同社は本来、紙幣、ボール紙、段ボール、フィルム、書籍、金属、ディスプレイ、ガラス、ラベル、装飾、雑誌、広告、新聞など、ほぼすべての素材に印刷できる製品ポートフォリオを提供している。

 このため、ライブ・ショーでは、展示製品だけでなく、同社が印刷に関連するあらゆるソリューションを提供できる製品を備えていることが改めて強調され、実際の製品サンプルをもとに、それが、同社のどの印刷機や加工機で製作されているかについて、具体的に紹介されていた。

 また、ライブ・ショーでは、同社のデジタル製品とテクノロジーが、どのように印刷業界の未来を変革するかが力強く語られ、そのビジョンが明確に示された。

生成型AI搭載「Kyana Assist」などの新技術を発表

 また、ライブ・ショーでは「Kyana(キヤナ)」というデジタルポータルが、生産環境のネットワーク化とリアルタイムのデータ分析を可能にし、企業の競争力を大幅に高めることが説明された。「myKyana(マイキヤナ)ポータル」を通じて、同社製品のユーザーは、すべての製造システムとのシームレスなインタラクションが可能となり、「Kyana Connect(キヤナコネクト)、「Kyana Data(キヤナデータ)」などの機能により、主要な生産数値の分析を行うとともに、JOBの並び替えなど、分析を改善につなげる強力な拡張機能を利用することができる。

 さらに、「Kyana Assist(キヤナアシスト)」は、生産時の様々な問題に対して、搭載された生成型AIが、オペレーターへ的確なアドバイスとサポートを提供するほか、今後Koenig & Bauerは、シーメンスと協力し「デジタルツイン」に基づく、革新的なオートメーション技術とメンテナンスソリューションを提供する計画だ。
ライブ・ショーでも「これらの革新的なデジタルソリューションは、印刷業界の未来を大きく変える可能性を秘めている」と生成型AI搭載などの新技術がもたらす可能性に期待が込められていた。

 同社は今回、プリプレスから印刷、型抜き、フォルダーグルアーまで、エンド・ツー・エンドのパッケージング・ワークフローを実演するための技術革新をトータルに展示した。

 drupa2024で発表されたすべての印刷機および機械(Rapida 106 X、VariJET 106、CutPRO X 106ロータリーダイカッター、CutPRO Q 106 SBフラットベッドダイカッター、Omega Alius 90フォルダーグルアー)には、最新の機能が搭載され、これらの機能により前世代と比較して少なくとも20%性能が向上しており、紙器生産の新たなベンチマークが打ち立てられた。

厚紙にも対応するB1インクジェット印刷機「VariJET106」

 ダースト社との合弁会社であるケーニッヒ&バウアー・ダースト社の「VariJET 106」は、両パートナーのグローバルな経験とノウハウを結集したオフセット品質の新開発B1デジタル印刷機である。


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厚紙にも対応するデジタル印刷機「VariJET106」

 幅広い色域によりオフセットに置き換え可能な品質を実現する。高生産ボリューム向けで、オフセットおよびフレキソ機能を活用できるモジュラープラットフォーム。現在、そして将来の規制および環境基準を満たす安全な水性インクを採用している。

 この最先端の多目的マシンは、パーソナライゼーションのニーズに応えるために作られ、短納期と迅速なターンアラウンドのためにインクジェットと従来のオフセット印刷の強みを組み合わせており、コーターユニットの追加も可能だ。

 ライブ・ショーでは、VariJET 106で生産された、医薬品、ヘルスケア、化粧品、食品・飲料パッケージなど、幅広い印刷サンプルが紹介された。

「Rapida 106 X」で毎時2万2000回転の高速印刷

 B1オフセット枚葉印刷機「Rapida 106 X」では、毎時2万2,000回転の高速印刷のデモが行われ、新たな次元のパフォーマンスを披露した。


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「Rapida106X」で毎時22,000回転の高速印刷を公開

 自動化と性能をさらに向上させるための新技術として、コーティングプレート交換システムCPC+(Coating Plate Change Plus)を搭載。同社の担当者は「コーター版の交換と同時に洗浄オプションも搭載しているため、1分以内に版交換を終えることができる。これまでの自動交換システムをさらに進化させたことで、全く人の手を必要としなくなった」と、高速印刷だけでなく、ジョブチェンジも素早く行えるようになった新機能をアピールしていた。

 デモでは、1ジョブ目で2万回転の印刷を実演し、ジョブチェンジ後に2万2,000回転の高速印刷を実演した。

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