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広瀬鉄工、UVニス圧着DMシステム「SAC-18DM」

コーター+折り+圧着をインラインで

 広瀬鉄工(株)(本社/大阪市東成区、廣瀬安宏社長)の「SAC-18DM」が、小ロット多品種時代のUVニス圧着DMシステムとして市場から注目を集めている。

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圧着ハガキ製造システムSAC-18DM


 印刷物にニスコーティングを行うメリットとしては、光沢度の向上や表面保護などが挙げられるが、昨今ではUV・水性圧着ハガキや感染防止のための抗菌、抗ウイルスニスコーティングなど、その需要は多様化しており、オフセット印刷分野ではインライン方式のニスコーティングマシンが普及する一方、デジタル印刷機分野ではオフラインコーターがその真価を発揮している。

 100年以上の社歴を誇る同社は、印刷や表面光沢、とくにUV乾燥によるニスコーティング分野の製品開発で知られ、その販売実績は300台を超える。その「HIROSE」ブランドから生まれた菊四裁フレキソUVコーティングマシン「SAC-18」は、アルバムやPOD、圧着DM向けオフライン小型コーターの「スタンダード機」としての実績を積み上げている。

 最大の特徴は、印刷機と同様の構造から生まれる高い精度にある。セラミックアニロックスを使ったドクターチャンバー方式を採用することで、フレキソコーターの最大の特徴である定量、均一、平滑なコーティングを実現。とくに圧着ハガキでその性能が発揮される。

 一方、デリバリー部にはUV照射時にも安定した用紙搬送を実現するロングチェーンデリバリ方式を採用。これにより高速安定性を確保し、しっかりと咥えられた用紙が通過するため、ネットコンベアーで起こりがちなジャミングによる火災事故などの報告も一切なく、純日本国産の設計と技術で完成させた安心・安定稼働を市場に提供している。さらに高い見当精度を実現する対向コロ引き見当装置を採用することで、位置精度の高いスポットコーティングも実現している。

 廣瀬社長は、「UVコーティングマシンで肝となるのは定量、均一、平滑を実現する技術。我々のSACシリーズは、艶出し機ではなく、これらを実現するフレキソ印刷機であり、ここに大きな違いがある。為替などの影響により海外機との価格競争力も高まり、今、この国産技術が注目されている」と説明する。

 この小型フレキソコーティングマシン「SAC-18」に折機と圧着機をドッキングさせたのが「SAC-18DM」である。Ⅴ折Z折ハガキからA4仕上V折圧着までをこなすワイドレンジの圧着DM一貫製造インラインマシンで、システムとしての生産性は3,000〜6,000枚/時。さらに生産性が必要な場合は、折りの前に簡易フィーダーをオプション装備することで、コーターと折り+圧着をオフラインに切り換えることも可能。V折なら折り+圧着で1万枚/時程度まで生産性を高めることができ、このような汎用性を持たせた仕様での納入も増えているという。

 同社では「オフセット印刷、オンデマンドデジタル印刷を問わず、付加価値を高める『オール国産技術』の集大成」としており、この圧着DM一貫製造インラインマシンは、DM市場でその「存在感」を高めている。

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菊半裁判フレキソオフラインコーティングマシン SAC-26

 一方、オフセット印刷機の設備投資において省スペースや省エネが意識される中、UVニスコーティングをオフライン化する動きもあり、とくに中堅印刷会社からは中ロットまでの市場をターゲットとする菊半裁モデル「SAC26」への引き合いも多くなっているという。これらを背景に、同社では来年1月22・23日に名古屋市国際展示場ポートメッセなごやで開催される光文堂の新春機材展「PrintDoors2025」で、この「SAC26」を展示出品する予定だ。

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