昭和堂、小児患者と家族に希望を - 子どもの絵画をデジタル印刷で作品化
チルドレンズアートの活動を支援〜IPA2023で「マルチピース部門」第2位獲得
(株)昭和堂(本社/長崎県諫早市、永江正澄社長)が、闘病中の子どもたちを支援するボランティア組織「久留米大学チルドレンズアート」の活動を支援するために制作した「闘病中の子どもたちへの支援活動〜Kurume University Chirdren's Art〜」が、2023年度の「Innovation Print Awards(以下、IPA)」において「マルチピース部門」第2位に選出された。この作品は、久留米大学病院で治療を受けている子どもたちが描いた絵画を使い制作されたポスターやカレンダー、トランプで構成されている。その制作には、富士フイルムビジネスイノベーション製のカラープロダクションプリンター「Revoria Press PC1120(以下、Revoria Press)」が使用されている。
昭和堂は1951年の創業以来、約70年間にわたり培ってきた印刷技術と、クロスメディアを駆使した様々な情報発信ツールでプロモーション支援を展開している販売促進サポート企業。「ワクワク・ドキドキをプロデュースする」をコンセプトにマーケティングから企画・デザイン、特殊印刷、ホームページ制作まで様々な事業領域で顧客のビジネスを支援している。
その同社が今回、入賞を果たしたIPAは、富士フイルムビジネスイノベーションアジアパシフィックが2008年からアジア・パシフィック地域で毎年開催しているデジタル印刷コンテストプログラムで、富士フイルムビジネスイノベーション(富士フイルムBI)のプロダクションプリンター「Revoria Press」シリーズやインクジェットデジタルプレス「Jet Press」シリーズ、ワイドフォーマットプリンター「Acuity」シリーズなどを使って制作された印刷物が作品として第三者の審査員によって評価される。
通算で16回目の開催となる今回は、アジア・パシフィックの11の国と地域から275作品の応募があり、その中から39作品が入賞。日本からは、13社20作品がエントリーし、4作品が入賞を果たしている。同社は、「マルチピース部門」で第2位を獲得。さらにIPA入賞作品が自動エントリーされる「2023 ASIAN PRINT AWARDS(以下、APA)」において「デジタルカレンダー部門」の銀賞も受賞している。
1月15日には、富士フイルムビジネスイノベーションジャパン(株)福岡支社において、今回の作品制作に携わった昭和堂の鈴木岳男氏(アクティブ・クリエイション本部 執行役 アクティブ九州 支店長)、横尾竜太氏(アクティブ・クリエイション本部 アクティブ九州 アクティブ・クリエーター)、渡部純三氏(企画デザイン室 トップラン マーケティング・ディレクション室 マーケティング・ディレクター)、池邉真穂氏(企画デザイン室トップラン ビジュアル・クリエーター)の4氏が出席のもと、表彰セレモニーが行われ、富士フイルムBIの木田裕士執行役員から記念トロフィーと表彰状が手渡された。
余剰在庫の問題をデジタル印刷で解決
入賞作品の題材となった「久留米大学チルドレンズアート(以下、チルドレンズアート)」は、久留米大学病院に勤務し、小児がんや小児医療領域の治療に携わる医師を中心に、2010年から活動を開始したボランティア組織。闘病中の子どもたちに治療を受けていく中で希望や支えになるような取り組みを行うことを目的とし、同病院で治療を受けている子どもたちが描いた絵画をもとにオリジナル作品を商品化し、その収益を小児科領域の活動や、その他の病気の子どもたちへの支援の活動資金として還元していくことを目指している。
この取り組みに賛同した同社は、チルドレンズアートの活動開始当初から横尾氏を中心として商品の企画・開発、制作に携わることを決定。これまでその生産にはオフセット印刷機を用いていたが、今回の入賞作品は、Revoria Pressを活用してデジタル印刷に切り替えて制作されている。
その理由について横尾氏は、新型コロナウイルスの感染拡大が背景にあると語る。
「これまで当社は、オフセット印刷で各種商品を生産してきた。これら商品は医療関連の学会、または病院内のイベントなどで販売されていた。しかし、コロナ禍により各種会合やイベントが中止になるなど販売機会が減少し、余剰在庫が問題となっていた。その問題を解決する方法として、富士フイルムBIからの提案を受け、柔軟な生産が可能なRevoria Pressによる制作にトライした」